ミサゴのくる谷

ジル・ルイス作 さくまゆみこ訳
評論社 2013年 小学校高学年から

スコットランドの農場に巣を作った野生のミサゴ。往復12.000キロの渡りをするその鳥をアイリスと名づけた少女と農場の少年カラムが出会い、物語は始まる。ジブラルタル海峡を超えはるかアフリカ大陸まで渡っていくアイリスのルートを発信器でたどるカラム。ついに西アフリカのガンビアに着いたアイリスだが信号の動きが止まる。消息を尋ねるカラムの電子メールに応え、ミサゴ探しに協力したのはガンビアに住む入院中の少女だった……。ミサゴのきびしい渡りを縦糸に、カラムの家族、友だち、野生生物保護官、ガンビアの少女などが織りなす人間模様を通して、自然保護の問題、異文化との出会いの素晴らしさを描くさわやかな物語。