なぞのサル アイアイ

島泰三 文 笠原富美代 絵
福音館書店 たくさんのふしぎ傑作集 2014年 小学校中学年から

よく知られた歌に登場するアイアイは、18世紀に発見されたサルのなかま。コウモリのように大きな耳とふさふさの尻尾が愛らしいが、リスのような前歯、長い中指を持ち、サルとは思えない不思議な形をしている。「アイアイ」はマダガスカル語で「よくは知らない」という意味で、生態はよくわかっていなかった。アイアイに会うためマダガスカル東海岸の無人島に出かけた著者は、食べ物に着目し、体の特徴との関係を探っていく。マダガスカルの森林は焼かれ生息環境が失われてきている。アイアイを保護するためには、好物のラミーがある森を回復する必要があることにも触れられている。