和田正平著『お話は土の城のテラスで』メディアイランド

お話は土の城のテラスで:西アフリカ・トーゴの昔話集

和田正平 再話
メディアランド 2016年 中学生から

文化人類学者である著者が、西アフリカのトーゴ北部に住むタンベルマの人々から収集したお話の中から、24話を選んでまとめている。人や動物、幽霊や神さまなどがさまざまに活躍するこれらの話には、村での暮らすための人生訓、処世訓などのメッセージが込められているという。タンベルマの人々が住むのは、ユネスコ世界遺産にも登録されるほど独創的な砦型住居。それを著者は「土の城」と呼び、サバンナに夕日が沈む頃、その屋上のテラスで夕涼みをしながら昔話が語られはじめる様子を、愛情を持って描いている。版画風のイラストや、巻末の解説やあとがきから、長い間、独特の文化を守ってきた人々の暮らしぶりを知ることができる。