『オマルとハッサン』表紙

オマルとハッサン:4歳で難民になったぼくと弟の15年

ヴィクトリア・ジェスミン作 オマル・モハメド原案 イアン・ゲディ彩色 中山弘子訳 滝澤三郎監修
合同出版 2021年 中学生から

ソマリア出身の兄弟オマルとハッサンは、紛争で母親とはぐれて国外に逃げ、今はケニアの難民キャンプで暮らしている。オマルが、障害のある弟ハッサンを常にいたわりながら11歳で学校に通い始め、苦労して勉強を続け、アメリカ合衆国に住むことになるまでを、実話をもとに描いたグラフィックノベル。オマルの気持に寄り添って読んでいくうち、ソマリアの紛争の恐ろしさ、食べ物や学校や遊びなど、難民キャンプの暮らしぶり、子どもや大人の悩みや希望、支援の実態を知ることができ、絵によって情景が具体的にわかる。巻末にオマル自身による解説とその後の写真、作者の言葉があり、背景の理解をさらに深められる。