ちかい

ポール・ジェラティ文・絵 せなあいこ訳 
評論社 1996年 小学校中学年から

サバンナで暮らす少女ヤミーナは、おじいちゃんと蜂蜜とりに出たものの、狩人になったつもりで遊ぶうちに迷子になり、母ゾウを狩人に殺された子ゾウに出会う。ヤミーナは子ゾウを励まし、一緒に嵐の中を歩き続ける。おじいちゃんの教えを守り、シマウマの群れについて進むが、暗くなってもまだ家にはたどりつけない。必死で自分の村を捜すヤミーナの目の前に現れたのは、ゾウの群れだった。群れに子ゾウを渡して眠ったヤミーナは、明け方になって母親に助けられる。南アフリカに生まれ育った著者が、刻々と色の変わる草原、そこに生息する野生動物や植物を詩的に描いた絵本。書名が内容にそぐわないのが惜しい。