沈黙のはてに

アラン・ストラットン作 さくまゆみこ訳
あすなろ書房 2006年 中学生から

16歳の少女チャンダが主人公のYA小説。舞台はアフリカ南部の、とある国。そこではエイズという言葉はタブーであり、HIVに感染することは恥ずかしいこととされていた。偏見のせいで正しい知識が得られないため、予防ができず、さらに感染が広まってしまう。チャンダは義父、妹、そして最愛の母をもエイズで亡くしてしまうが、過酷な状況にあっても、強い意志と行動力で沈黙のタブーをやぶり、周囲の人たちをも変えていく。今、世界中で大きな問題となっているHIV/エイズ。この本を読んで、アフリカの現状を知るとともに、日本の現状についても考えてみてはどうだろうか。日本は先進国で唯一、HIV感染者が増えている国なのだ。