イヤー オブ ノー レイン:内戦のスーダンを生きのびて

アリス・ミード作 横手美紀訳
すずき出版 2005年 小学校高学年から

11歳のステファンの住むスーダン南部の小さな村では、もう3年も雨が降らず、畑は干からびてしまった。スーダンでは内戦が15年も続き、父親は兵士として村を出たきり帰らない。それでもステファンは明るく暮らしていたが、ある日村が襲撃にあい、母は殺され、姉もゆくえがわからなくなってしまう。ステファンは友だち2人と一緒に、ケニアの難民キャンプをめざして歩き始める。日本の読者には想像もつかないほどの極限状況の物語だが、主人公の心情が具体的に描かれており共感をもって読める。子どもが自発的に手をのばしそうな装丁ではないが、アフリカの現状に目を向ける糸口として読んでほしい本。