炎の秘密

へニング・マンケル作 オスターグレン晴子訳
講談社 2001年 中学生から

モザンビークの12歳の少女ソフィアを主人公とした、絶望と再生の物語。盗賊に村を焼かれ、父親を殺されたソフィアは、母親、姉弟とともに命からがら逃げ出す。歩き続けてひとつの村にようやく落ち着いた矢先、今度は地雷を踏んでしまう。姉は亡くなり、ソフィアは両足を切断。何度も孤独と絶望に陥りながらも自分自身を見失わず、必死に学び努力して仕事と家を手に入れて生きていく。モザンビーク在住のスウェーデン人作家が、実際に出会った少女をモデルに書いた小説。貧困や地雷など、この国の人々が直面する問題が迫ってくるとともに、少女が過酷な状況を懸命に生き抜き、自立していく姿に勇気づけられる。