ルワンダの祈り:内戦を生きのびた家族の物語

後藤健二著  
汐文社 2008年 小学校高学年から

大虐殺(ジェノサイド)後10年以上が経ち、立ち直りつつあるルワンダを取材したドキュメンタリー。著者は外国人という立場をわきまえた上で、現地の人々の悲しみや怒りを共有してインタビューを進める。大虐殺を生きのび、現在は国会議員として国の再生に力を発揮している1女性の話が中心となる。民兵から身を隠して逃げたこと。途中ではぐれた我が子を、何か月もかかって見つけ出したこと。夫と長男が隣人に殺された恨みと悲しみは消えることはないが、それでも「生き残ったわたしたちの責任は、幸せに暮らすこと」と語る。大虐殺後の家族の暮らしを描きながら、大虐殺そのものについて知るきっかけともなる作品。取材時の写真も掲載されている。