戦争が終わっても:ぼくの出会ったリベリアの子どもたち

高橋邦典著・写真  
ポプラ社 2005年 小学校高学年から

リベリア共和国では政府軍と反政府軍との戦闘が14年間断続的に続いたが、2003年8月に大統領が辞任し、内戦は終わった。報道写真家の著者が、内戦中に取材で出会った子どもたちの安否を確かめるために再びリベリアを訪れ、現地の実情を写真と文章で伝えた本。少年兵として前線で殺戮に加わったモモとファヤ、反政府軍の砲弾で家族のすべてを殺された少女ギフト、爆撃で右腕を失った少女ムス。戦争が終わった今、彼らはろくな食事にもありつけず、学校にも行けない。消し去ることのできない戦闘の記憶を抱えながら、彼らの目は何を見ているのか。平和な日本の読者には衝撃的な写真もあるが、同じ時間を生きる彼らの真実から目をそらさないでほしい。