アフリカの森の日々:わたしの愛したチンパンジー

ジェーン・グドール著 赤尾秀子訳 
BL出版 2002年 小学校高学年から

1960年から40年にわたりアフリカで野生のチンパンジーを研究してきた著者が、その出会いから現在までの経過を語る。チンパンジーは、子育ての様子やコミュニティの性質などが驚くほど人間に似ており、知能も高い。チンパンジーの存在を理解することで、人間本来のあるべき姿や生命について考える示唆に満ちた本。著者が単なる研究対象としてでなく、愛情をもってチンパンジーと心を通わせていることが写真からも伝わる。森林破壊や密猟によって100年前の200万から今や15万以下に数が減ってしまった現実に目を向け、今何ができるかという具体的な提案をもってプロジェクトをつくり、子どもたちに希望を託した点でも貴重な本である。