ボノボとともに:密林の闇をこえて

エリオット・シュレーファー作 ふなとよし子訳
福音館書店 2016年 中学生から

夏休み、アメリカからやってきたソフィーは、離婚した母が運営する類人猿ボノボの保護センターで過ごしていた。密猟され、市場で売られていたボノボの子を見つけ、買い取ったソフィーは、その子をオットーと名付け、センターで世話をする。もうすぐ帰国という日、内戦が勃発し混乱する中、センターも襲われ、ソフィーはたった一人でボノボたちとともにジャングルへ逃げこんだ・・・。ボノボとの暮らしや川下りの旅、反乱兵との戦闘など、圧倒的な臨場感を持って描かれるのだが、実際のコンゴ内戦の事実とは違う場面も多く、現実と混同しないよう気をつけることが大事。絶滅が危惧されるボノボの生態や自然保護、国の安定とは?と、現代の抱える問題に目が開かれる社会派サバイバル・ストーリー。