『雪山のエンジェル』表紙

雪山のエンジェル

ローレン・セントジョン作 さくまゆみこ訳
評論社 2020年 小学校高学年から

主人公マケナは、山岳ガイドの父親の影響で、山登りが大好きなケニアの少女。教師の母親と親子3人幸せに暮らしていたが、両親が突然エボラ出血熱に感染し亡くなってしまう。引き取られた親戚の家になじめず逃げ出したマケナは、ナイロビのスラム街にたどり着く。そこで出会ったアルビノの少女スノウとともに、困難を乗り越え希望をもって生き抜こうとするのだが……。マケナに危機が迫ると銀色のキツネが現れ、幻とも現実ともつかない不思議な趣を添える。エイズやエボラで孤児になるアフリカの子どもたちは多く、ジンバブエで生まれ動物保護区で育った作者は、そうした「忘れられた子どもたち」と幻想的な動物との出会いの物語を紡いでいる。