『先生、ウンチとれました』表紙

先生、ウンチとれました:野生動物のウンチの中にある秘密

牛田一成著
さ・え・ら書房 2019年 小学校高学年から

アルジェリア、ウガンダ、ガーナ、ガボン、ギニア、スーダン、マダガスカルなどの熱帯林や砂漠、サバンナでウンチを採集する「動物のウンチ博士」の記録。野生のチンパンジー、ニシローランドゴリラ、アフリカゾウ、アカカワイノシシ、ハゲコウなどの“新鮮な”ウンチを実験室に持ち帰り、腸内細菌を調べる。野生動物だけが持つ腸内細菌の分析は、動物の生態や分布の理解だけでなく、絶滅危惧種の保護にも繋がるという。ジャングルの奥地でウンチ拾いに奔走する著者たちの姿はひどくユーモラスにも映るが、消化に関する基本的な解説や、調査過程の詳細も書かれていて、腸内細菌研究の重要性がわかる。森の中を案内してくれる村人たちの話も興味深い。