テンボ:ひとりぼっちのアフリカぞう

サンガ・ンゴイ・カザディ文 いそけんじ絵 
アスラン書房 1993年 小学校中学年から

ザイール(現在はコンゴ民主共和国)の小さな村で暮らす12歳の少年が、落とし穴にはまった子どものゾウを助けて長老のところへ連れていく。そして長老から、ムンデレ(白人やアジア人)が入ってきて以来アフリカの自然が破壊されてきたことや、かつてアフリカでは白人による奴隷狩りが行われたこと、高いお金と引き替えにアフリカ人の中にも密猟をする者たちがいることなどの話を聞く。日本への象牙輸入が再開されることになりゾウの密猟の増加が危惧される今、日本の子どもたちにも読んでもらいたい絵本。作者はこの国で生まれ育った気象環境学者で、「アフリカ村おこし運動」を実行しているという。