西アフリカ おはなし村

国立民族博物館編 江口一久文 アキノイサム絵
梨の木舎 2003年 小学生高学年から

西アフリカ、カメルーンのフルベ人の研究をしている著者が採集してきた口承の物語の中から25話を選んで紹介する。頭がよくてすばしこいウサギやリス、いつも腹をすかせているハイエナなどの動物に託して日常の知恵や振る舞い方を教える話や、精霊の出てくる話などバラエティに富んでいる。物語の語り始め、語り終わりの決まり言葉などもおもしろく、生きた語りとはこのようなものであったのかとわかるのも貴重だ。2003年に国立民族博物館で開かれた特別展覧会「西アフリカおはなし村」で展示された写真、資料などもまとめて掲載され、暮らしぶりや衣食住、音楽などについて、ざっくりと雰囲気を知ることもできる。