未来を信じて:南アフリカの声

ティム・マッキー著 アン・ブラックショー写真 千葉茂樹訳
小峰書店 ノンフィクションBooks 2002年 中学生から

アパルトヘイト体制崩壊後の南アフリカに生きるティーンエイジャー12名の声を集めたインタビュー集。人権を奪われてきた黒人、差別する側にいた白人、やはり差別されてきたカラード、それ以外の人種など、様々な民族的、社会的、経済的背景を持つ人々が、アパルトヘイト下で経験したことや現在もっている希望などを生の声で語る。各インタビューの冒頭には、人物紹介を兼ねた簡潔な社会背景の説明があり、理解を深められる。声の主である若者の写真も数枚ずつ添えてあるので親しみがもて、実情を訴える声がいっそう生々しく伝わる。原書は1999年刊だが、巻末解説では現在南アフリカが抱えるエイズ問題にも触れている。同世代の読者に手渡したい。