ぞうの子ラウルとなかまたち

キャサリン・ペイン著・写真 水原洋城訳 
岩波書店 かがくとなかよし 1994年 小学校低学年から

ケニアのキリマンジャロ山のふもとに住むアフリカゾウの群れを観察し、子ゾウのラウルを中心にゾウの生態を紹介する写真絵本。生まれたばかりのラウルはお母さんにくっついてばかりの甘えん坊。ゾウの群れは、雌だけが何頭もいっしょに行動し、いちばん年長のおばあさんゾウがリーダーになる。群れ全体で沼地を目ざして移動する様子、子ゾウを危険から守る様子、おとなの雄との遭遇などを臨場感のある写真で伝えている。生物学者の著者は、ゾウたちが超低周波音を出してコミュニケーションをとりあうことも観察している。文章はわかりやすく、子どもの興味をそらさない。