どうしてアフリカ? どうして図書館?

さくまゆみこ著 沢田としき挿絵 
あかね書房 2010年 中学生から

著者が30年以上前に初めて降り立ったアフリカはナイジェリア。以来何度も訪れるアフリカで、文化や音楽に触れ、人々が抱えるたくさんの問題に目を向けてきた。アフリカの絵本や児童書の翻訳にも力を入れ、仲間と「アフリカ子どもの本プロジェクト」を立ち上げて、ケニアに図書館をつくるにいたった年月を語る。アフリカの人々の様子、本に見入る子どもたち、そしてアフリカの大地の魅力がいきいきと描き出され、いつのまにかアフリカが大好きになってしまう。岸田袈裟さんの〈エンザロ村のかまど〉がケニアの村々に広まったことで生活が改善され、布ぞうりはHIVの予防にもなった。このように生活に結びついた支援がもっと増えたら、なにかが変ってくるのではないだろうか。絵はプロジェクトの仲間でもあった沢田としきの最後の仕事になった。