アフリカの音

沢田としき文・絵
講談社 1996年 幼児から

西アフリカの太鼓と踊りを楽しく紹介する絵本。力強くあたたかい絵には不思議な力があり、「グン ゴド パ グン ゴド パ」というリズムが絵本の中から聞こえてきて、汗だくになってエネルギッシュに踊る人たちの輪の中に入っていきたくなる。祭りの日が来ると、大勢の人が集まってきて、ヤギ皮を張ったジンベという太鼓の響きに合わせて踊り、うたい、収穫に感謝し、ごちそうを食べ、そしてまた帰って行く。いなかの村の暮らしがていねいに描かれ、大地や祖先や命のつらなりを大事にしてきた西アフリカの人々の価値観を見事に表現している。巻末に、舞踊民俗学者の柳田知子氏による解説も掲載。