シャンダ・ドリームライブラリー

ケニア西部のカカメガ県にある子ども図書館です。開館は2008年8月。当初は、岸田袈裟さん(『エンザロ村のかまど』に登場)を中心とする日本のNPO「少年ケニヤの友」との共同プロジェクトでしたが、現在は岸田さんが亡くなられてNPOも解散なさったので、当プロジェクトが現地の図書館委員会と相談しながら運営し、支援をになっています。週5日半、年間300日程度の開館です。支援の内容は、ライブラリアンのお給料の支払い、図書・教科書・新聞、備品の購入、図書館の建物の修理、現地の図書委員会のサポートなどです。現地を訪問したときには、本の修繕等のアドバイスや備品の提供、ライブラリアンや図書館委員会との話し合い、現状の確認、子どもたちへの紙芝居実演や読み聞かせなどを行っています。現在のライブラリアンは、近隣に住むアイリーン・ナムニュさんです。学校の敷地内にあるので、クラス単位で子どもたちが本を読みにくることもあります。以下は、オープニング時とその後の途中レポートです。

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2008年の8月、カカメガの森の近くに、かねてより準備を進めていた二つ目の児童図書館シャンダ・ドリームライブラリーがオープンしました。当プロジェクトからは5名の会員(石塚和香子、さくまゆみこ、沢田としき、たかぎちほ、伏原納知子)が現地に赴いて準備(建物の整備と蔵書の整理、運営方針の話し合い)を行い、オープニングにこぎつけました。ケニアの新聞DAILY NATIONにもライブラリーの記事が掲載されました。

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この図書館は、公立のシャンダ小学校の中にあります。元校長室だった建物を利用させてもらったのです。エンザロの時と比べ、今回はなかなかたいへんでした。地域の人たちのほとんどは、図書館がどういうものか知らないのですから、イメージも浮かびにくいのだと思います。それでも、オープニングの前日になってローズさんという女性がライブラリアンをやってくれることになりました。蔵書数は約1400冊。そのうち3分の1がスワヒリ語の図書です。現地の本屋さんで現地の出版社の本をかなり購入しました。

ローズさん

今回は、いろいろと課題も見えてきました。今後は、
(1)子ども図書館がもつ意味や役割について、事前に地域の方々に説明しておく。
(2)ライブラリアンがどういう仕事をすればよいかについて、プロジェクト側の考えをまとめ、きちんと伝えておく。
(3)貧しい地域の場合、運営費用をどうするか。
などの点についても、考えていく必要がありそうです。
最後の点については、これまでは、図書館の準備をするのは日本側(「アフリカ子どもの本プロジェクト」と「少年ケニヤの友」)で、オープニング以降は地域に運営を担ってもらう、というスタンスでやって来ました。でも、貧しい地域の場合、運営費用(主にライブラリアンのお給料ですが)を地域でまかなうのは難しいという事情があります。

「少年ケニヤの友」のご意見は、すべて日本側が負担するのはケニア人のためによくないので、とりあえず地域からアイデアを出してもらった方がいいとのこと。そこで図書館委員会も発足し、今は週4日開館しています。

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始めてケニアに行ったイラストレーターのたかぎちほさんが、シャンダでの絵日記でこの時の様子を伝えています。

 

▼▼▼旧HP お知らせとご報告 より転載

シャンダ小学校の図書館になる建物の写真が、「少年ケニヤの友」の風間さんから届きました。キスムから北へ80キロばかり行ったところにある、生徒数500名の学校です。図書館用の建物の入り口に立っているのは現地で国際援助活動をしている岸田袈裟さんとジャクソン・イングチア校長先生です。

 

▼▼▼旧HP これまで活動2008 より転載

エンザロのときと比べ、今回はなかなか大変でした。地域の人たちのほとんどは、図書館がどういうものか知らないのですから、イメージも浮かびにくかったのだと思います。それでも、ローズさんという女性(大学の授業料を払えなくなり、今は家にいる)がオープニングの前日になってようやくライブラリアンをやってくれることになり、第2のドリームライブラリーは船出しました。蔵書数は約1400冊。そのうち3分の1がスワヒリ語の図書です。運営については、地域の住民、シャンダ小学校の先生、ライブラリアン、「少年ケニヤの友」スタッフたちから成る図書館委員会をつくり、毎月1回話し合いをしながら決めていくことになりました。

 

 

(2点)シャンダ・ドリーム・ライブラリーと子どもたち

「少年ケニヤの友」のご意見は、すべて日本側が負担するのはケニア人のためによくないので、とりあえず地域からアイデアを出してもらった方がいいとのこと。それもそうだと思い、今は図書館委員会の話し合いの成り行きを見守っているところです。第1回の委員会会議で出てきたのは、学校の生徒の親からは会費を集め、外部から来た人からは入場料を取る、というもの。しかも、お金の関係もあって、今は土曜日と日曜日の週2回しか開館できていないので、遠くから通ってくる先生や生徒たちに利用してもらうのは難しそうです。何かいい方法を考えていきたいと思います。今回は、いろいろと課題も見えてきました。今後は、

(1)子ども図書館がもつ意味や役割について、事前に地域の方々に説明しておく。
(2)ライブラリアンがどういう仕事をすればよいかについて、プロジェクト側の考えをまとめ、きちんと伝えておく。
(3)貧しい地域の場合、運営費用をどうするか。
などの点についても、考えていく必要がありそうです。
最後の点については、これまでは、図書館の準備をするのは日本側(「アフリカ子どもの本プロジェクト」と「少年ケニヤの友」)で、オープニング以降は地域に運営を担ってもらう、というスタンスでやって来ました。でも、貧しい地域の場合、運営費用(主にライブラリアンのお給料ですが)を地域でまかなうのは難しいという事情があります。