『義足と歩む』表紙

義足と歩む:ルワンダに生きる日本人義肢装具士

松島恵利子著
汐文社 2019年 小学校高学年から

ルワンダには、1994年の虐殺事件もあり、手足を失って不自由な生活をしている人も多い。本書の主人公ルダシングワ真実さんは、日本で義肢製作を学んだあと、夫ガテラさんとともにルワンダでNGO「ムリンディ/ジャパン・ワンラブ・プロジェクト」を立ち上げ、それぞれの人に合った義足や義手を配布する活動を、もう20年以上も続けている。今はブルンジにも広がるその活動の根底には、どんな思いや困難があるのか、もらった人の反応や私たちがルワンダから学ぶことは何か、といったことを、わかりやすく伝えるノンフィクション。「ルワンダの今」の章には、女性議員が多いこと、死刑制度が廃止されていること、環境問題に熱心に取り組んでいることなどが記され、虐殺事件をみんなで考えたうえで未来へ向かおうとしている人々の姿が浮かび上がる。