あいうえおカメレオン

    増田戻樹文・写真  
    偕成社/ 2009年/ マダガスカルほか/ 幼児から/ 絵本

    世界に約120種類知られているカメレオンは、ほとんどがマダガスカルとアフリカ大陸にすんでいる。色、大きさ、頭の形が少しずつちがう何種類ものカメレオンを、色鮮やかな写真で紹介する絵本。長い尾を上手に枝にからめて、えさをとったり、ひなたぼっこをしたり。伸びちぢみする舌でえものをとる瞬間や、脱皮の様子も興味深い。左右にとびでた目のせいか、どの写真も表情豊かでユーモラス。「あたまかざりが いろいろで うれしくなっちゃうカメレオン」というように、五十音で始まるリズムのいい文章がついているので、声に出して読みながらページをめくると楽しい。

    アフリカゾウ56頭移動大作戦

    神部俊平著  
    学習研究社/ 学研のノンフィクション/ 2002年/ ケニア/ 小学校中学年から/ 123p

    アフリカゾウの保護に取り組む日本人獣医師と、ケニア人レンジャーたちのドキュメント。危険を覚悟で、なぜ野生ゾウたちを200キロも離れた土地へ移動させたのか? 疑問を抱きながら劇的な展開に引き込まれて読み進むと、ゾウが住民に被害をあたえていること、その元凶が密猟にあることなどがわかってくる。人とゾウが共存する道を探り、困難な作戦を決行した人々の葛藤も伝わってくる。ケニアの風土やゾウの生態を親しく伝える写真のほか、象牙を切られたゾウや燃やされた象牙の山などショッキングな写真もあるが、密猟と密輸の厳しい現実や、特に日本こそが密輸大国であると知ることで、野生動物の保護が切実な問題として伝わるだろう。

    アフリカの森の日々:わたしの愛したチンパンジー

    ジェーン・グドール著 赤尾秀子訳 
    BL出版/ 2002年/ タンザニア/ 小学校高学年から/ 78p

    1960年から40年にわたりアフリカで野生のチンパンジーを研究してきた著者が、その出会いから現在までの経過を語る。チンパンジーは、子育ての様子やコミュニティの性質などが驚くほど人間に似ており、知能も高い。チンパンジーの存在を理解することで、人間本来のあるべき姿や生命について考える示唆に満ちた本。著者が単なる研究対象としてでなく、愛情をもってチンパンジーと心を通わせていることが写真からも伝わる。森林破壊や密猟によって100年前の200万から今や15万以下に数が減ってしまった現実に目を向け、今何ができるかという具体的な提案をもってプロジェクトをつくり、子どもたちに希望を託した点でも貴重な本である。

    生きもののおきて

    岩合光昭著  
    筑摩書房/ ちくまプリマーブックス/ 1999年/ タンザニア/ 小学校高学年から/ 152p

    動物写真家が、ライオン、ヌー、バッファローなどを中心に、アフリカの野生動物を紹介する本。1982年8月から84年3月までの1年半、タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在した著者が撮影した多数のカラー写真は、サバンナに生きる動物たちの、生と死が隣り合う日常をリアルに映し出している。多くの野生を残す一方で、セレンゲティ平原を中心とした周辺地域は野生動物保護区域に指定され、公園境界の外側でも年々人口が増えつつあり、人の行為が野生動物たちの本来の生き方を変えてしまうことを著者は懸念する。アフリカの自然を通し、人と自然の共存、地球上のあらゆる生命に共通するルールついて考えるきっかけとなる本。2010年にはちくま文庫でも出版された。

    1はゴリラ:かずのほん

    アンソニー・ブラウン作 さくまゆみこ訳
    岩波書店/ 2013年/ 幼児から/ 絵本

    1から10の数とともに10種の霊長類がそれぞれの数だけ登場。数字と名前だけのシンプルな作りだが、登場する霊長類すべての顔が一頭ごとに異なった表情で描かれており、特に目の表現がいきいきと素晴らしく、見飽きることがない。また、霊長類の仲間であるヒトとしての作者の自画像が印象的に描かれ、私たちヒトが、ゴリラやサルたちの仲間であることを直感的に示している。向かい合って顔を合わせるコミュニケーションの重要さに言及した、霊長類学者山極寿一氏の解説が、本書の魅力を的確に言い表している。登場する霊長類の多くがアフリカを生息地としていることにも注目してほしい。

    お父さんゴリラは遊園地

    山極寿一著・写真  
    新日本出版社/ ドキュメント地球のなかまたち/ 2006年/ コンゴ民主共和国/ 小学校中学年から/ 絵本

    野生のゴリラの家族関係や生態を写真とともに伝えるノンフィクション絵本。大きな白い背中をもつお父さんゴリラのまわりで子どもたちが安心して楽しく遊ぶ様子は、まるで遊園地のようだという。大きな包容力をもって子育てに関わり、子どもたちに仲間や自然とうまくつきあうことを教え、みなしごゴリラを守るお父さんゴリラの姿は、人間のお父さんの参考にもなりそう。もともとは記録用だったせいかピントのあまい写真もあるのは惜しいが、著者がゴリラとの会話もできる動物学者なので、ゴリラ一家の仲間に入れてもらったような気分で読める。ゴリラの言葉や遊び、様々な表情が紹介されているのも楽しい。

    くんくんくん おいしそう

    阿部知暁 作
    福音館書店/ 2014年/ コンゴ共和国/ 幼児から/ 絵本

    降り続いた雨のあがった森。ゴリラ、チンパンジー、ゾウたちが、熟れた果物の香りにさそわれて一本の大きな木に集まる。お腹いっぱいに果物を味わった動物たちは、帰りながらうんちをポロリ。長い雨を経て、森のあちこちに落とされたうんちから果物の芽が生え、また長い雨を経ると、芽は苗木に成長する。ゴリラに魅せられ、ゴリラを描くため世界の動物園のみならず実際に生息地を訪れて野生のゴリラをスケッチした著者が、世界遺産にも登録されたヌアバレ・ンドキ国立公園の森を舞台に、生命の連なりをシンプルかつ鮮やかに描いた絵本。

    ゴリラが胸をたたくわけ

    山際寿一文 阿部知暁絵
    福音館書店/ 2015年/ アフリカ中東部/ 小学校低学年から/ 絵本

    ゴリラが胸をたたく「ドラミング」は、戦いの合図を意味していると長いこと思われてきた。しかし著者はアフリカ中央部の山の熱帯雨林で群れを観察するうち、疑問を抱くようになる。そしてドラミングは互いが対等であることを確認し合う行為であり、戦いを回避し平和に暮らすための手段として用いられていたことをつきとめる。ゴリラの群れに仲間入りし彼らと共に過ごした研究者ならではのリアルな描写と、ゴリラだけを描き続ける画家が手を組んだ、ゴリラへの深い理解と愛に満ちた絵本。子育て・遊び・争いの仲裁など、ゴリラの生態はわたしたちヒトへの示唆に富んでいる。

    ゴリラ図鑑

    山極寿一著・写真 田中豊美絵 
    文溪堂/ 2008年/ コンゴ民主共和国ほか/ 小学校高学年から/ 63p

    ゴリラ研究の第一人者が紹介する、ゴリラの最新情報が盛りこまれた図鑑。約300種類の霊長類の中で、ゴリラ属は、人間と同じヒト科に分類される類人猿だが、その生態は近年まで正しく伝わっていなかった。本書は、長年ゴリラを身近に観察してきた著者の明解な文と親しい眼差しをもつ写真により、身体の特徴や生息地、社会構造や森での暮らしぶりなどを興味深く伝えている。また、長年狂暴な野獣として誤解されてきたゴリラと人間の歴史、危機にある熱帯雨林のゴリラの保護活動、野生のゴリラに会いにいくための手引きまで、広い視野でゴリラの真実の姿に迫る。補足のイラストは精緻で、ゴリラの仲間のオランウータン、チンパンジー、ボノボも紹介されている。

    ゴリラは語る

    山極寿一著
    講談社/ 15 歳の寺子屋/ 2012 年/ コンゴ・ルワンダ/ 中学生から/ 98p

    人類学・霊長類学者である著者は、ゴリラ生態研究のためコンゴ・ルワンダ国境の森でフィールドワークを実施。本作はその体験に基づいて綴られる。文字通り「ゴリラの家にホームステイ」した著者は、人間の手で家族を殺された子ゴリラ、タイタスとの交流などを通じ、敵とみなされてもしかたのない人間をも受容するゴリラ社会の寛容さに感銘を受ける。そんな著者ならではの視点から、ゴリラと近しい進化をたどってきたわたしたち人間の恋、友情、家族関係や、暴力、戦争についてが、ゴリラの社会性を引き合いに語られる。思春期をむかえる子らへの示唆に富んだ一冊。著者が実施するコンゴでのエコツーリズムについても語られている。

    ゴリラ(どうぶつの赤ちゃんとおかあさん)

    スージー・エスターハス文・写真 成島悦雄訳
    さ・え・ら書房/ どうぶつの赤ちゃんとおかあさん/ 2013年/ 小学校低学年から/ 絵本

    『チーター(どうぶつの赤ちゃんとおかあさん)』と同じ写真絵本シリーズの1冊。アフリカの山奥で生まれたマウンテンゴリラの赤ちゃんが、お母さんのもとで成長していく姿を、野生動物写真家が写真で記録し、やさしい言葉で説明している。

    砂漠の虫の水さがし

    山口進著・写真  
    福音館書店/ たくさんのふしぎ傑作集/ 2000年/ ナミビア/ 小学校中学年から/ 絵本

    幼い頃読んだ本をきっかけに、砂漠の生き物に興味を持った著者が、20年来の夢だった南西アフリカの砂漠に行き、猛暑と乾燥を生きぬく生き物を取材して書いた写真科学絵本。著者は初めにボツワナ共和国のカラハリ砂漠で動物を観察するが、木がまばらにはえた茶色い風景は、著者の思っていた砂漠と違う。砂だけの世界を求めて、1000キロ西のナミビア共和国のナミブ砂漠に向かう。日中気温40度、砂丘の表面が60度にもなる砂漠にも生き物がいる。鍵となるのは水。数日に1度しか出ない霧の中で逆立ちをし水をとるサカダチゴミムシダマシが圧巻。ストーリー性のある構成で読みやすく、写真も珍しい。アフリカ大陸の自然の多様性がわかる1冊。

    ゾウのこども

    ガブリエラ・シュテープラー写真・文 たかはしふみこ訳
    徳間書店/ サバンナを生きる/ 2016年/ 小学校中学年から/ 絵本

    アフリカゾウの出産は、母ゾウを群れのなかまたちが灰色の壁のようになって周りを囲んで行われる。赤ちゃんゾウが自分の足で立ち上がり、乳を飲めるようになるとすぐ、群れは移動を始める。生まれたばかりの赤ちゃんゾウとともに、サバンナを行くゾウの群れを雄大な自然の中でとらえた写真絵本。日の出前から起きだして移動し、1日のほとんどを草を食べてすごすゾウたちが、リーダーを中心に細やかにコミュニケーションをとりながら暮らす様子を、生き生きとした文章でていねいに伝えている。巻末の解説では、密猟の問題、環境破壊にも言及し、人間とゾウがどのように共存していくべきかを問いかけている。

    ぞうの子ラウルとなかまたち

    キャサリン・ペイン著・写真 水原洋城訳 
    岩波書店/ かがくとなかよし/ 1994年/ ケニア/ 小学校低学年から/ 絵本

    ケニアのキリマンジャロ山のふもとに住むアフリカゾウの群れを観察し、子ゾウのラウルを中心にゾウの生態を紹介する写真絵本。生まれたばかりのラウルはお母さんにくっついてばかりの甘えん坊。ゾウの群れは、雌だけが何頭もいっしょに行動し、いちばん年長のおばあさんゾウがリーダーになる。群れ全体で沼地を目ざして移動する様子、子ゾウを危険から守る様子、おとなの雄との遭遇などを臨場感のある写真で伝えている。生物学者の著者は、ゾウたちが超低周波音を出してコミュニケーションをとりあうことも観察している。文章はわかりやすく、子どもの興味をそらさない。

    ゾウ(どうぶつの赤ちゃんとおかあさん)

    スージー・エスターハス文・写真 渋谷弘子訳
    さ・え・ら書房/ どうぶつの赤ちゃんとおかあさん/ 2014年/ 小学校低学年から/ 絵本

    『チーター(どうぶつの赤ちゃんとおかあさん)』と同じ写真絵本シリーズの1冊。大草原で生まれたアフリカゾウの赤ちゃんが、お母さんに見守られながら成長し、やがて独り立ちするようになるまでの姿を、野生動物写真家が写真で記録し、やさしい言葉で説明している。

    チンパンジーキキの冒険旅行

    神戸俊平著
    講談社/ 青い鳥文庫/ 2010年/ コンゴ民主共和国ほか/ 小学校中学年から/ 160p

    著者は獣医で、野生動物を知るために1972年にコンゴ民主共和国(旧ザイール)に入った。イツゥリの森に住むバンブーテ人から赤ん坊のチンパンジーを預かりキキと名づけ、親子のような生活を半年間送る。入国査証の期限が切れた時、森には戻せなくなっていたキキといっしょに、ケニアまで1600キロの旅に出るが、キキを連れていることで、尋問や検閲を受けるなどの様々なアクシデントが起こる。陽気で人懐こく寂しがりやのキキとの交流が、生き生きと描かれている。『ぼくとキキのアフリカ・サファリ』(1982年 旺文社)を加筆・修正・改題し版元を変えて出版したもの。

    チーター(どうぶつの赤ちゃんとおかあさん)

    スージー・エスターハス文・写真 成島悦雄訳
    さ・え・ら書房/ どうぶつの赤ちゃんとおかあさん/ 2012年/ 小学校低学年から/ 絵本

    野生動物写真家が、チーターが成長する姿を写真で記録し、やさしい言葉で説明した写真絵本。チーターの赤ちゃんは1度に6頭~8頭が、目も耳も閉じたまま生まれてくる。お母さんのおなかの陰で暑さをよけたり、雨に濡れた体をなめてもらったりして守られて育つが、草原で生きていく方法も教わる。お母さんにじゃれたり子ども同士で遊んだりする様子は子ネコのように愛らしいが、2歳で独り立ちする姿は精悍でりりしい。巻末には、チーターの生態についての解説も載っていて、絶滅するおそれがあることに心が痛む。シリーズには『ライオン』『ゴリラ』『ゾウ』もある。

    動物大図鑑 ほ乳類アフリカ編

    NHK「はろー!あにまる」制作班編  
    イースト・プレス/ NHKはろ〜!あにまる/ 2008年/ 小学校中学年から/ 111p

    テレビ番組「ダーウィンの動物大図鑑 はろ〜!あにまる」に登場する世界各地の動物を紹介するシリーズの1冊。アフリカ大陸とマダガスカルの哺乳類37種を生息地別に紹介し、1冊でアフリカの動物を一覧できるハンディな図鑑。1見開きに1種類の動物をとりあげ、体の特徴をはじめ、食べ物、すみか、子どもの様子などをわかりやすく解説する。仲間の動物の紹介や、ナビゲーター役のDr. ダーウィンによるミニ情報も興味深い。画面は小さいが、動物たちのいろいろな表情をとらえた写真をたくさん見ることができ、動物の世界に楽しくはいっていける。総ルビ、索引付き。幅広い年齢層に向く。

    なぞのサル アイアイ

    島泰三 文 笠原富美代 絵
    福音館書店/ たくさんのふしぎ傑作集/ 2014年/ マダガスカル/ 小学校中学年から/ 絵本

    よく知られた歌に登場するアイアイは、18世紀に発見されたサルのなかま。コウモリのように大きな耳とふさふさの尻尾が愛らしいが、リスのような前歯、長い中指を持ち、サルとは思えない不思議な形をしている。「アイアイ」はマダガスカル語で「よくは知らない」という意味で、生態はよくわかっていなかった。アイアイに会うためマダガスカル東海岸の無人島に出かけた著者は、食べ物に着目し、体の特徴との関係を探っていく。マダガスカルの森林は焼かれ生息環境が失われてきている。アイアイを保護するためには、好物のラミーがある森を回復する必要があることにも触れられている。

    パンサーカメレオン

    ジョイ・カウリー著 ニック・ビショップ写真 大澤晶訳
    ほるぷ出版/ いきもの写真絵本館/ 2005年/ マダガスカル/ 幼児から/ 絵本

    マダカスカル島にすむパンサーカメレオンを主人公にした写真絵本。単なる知識絵本ではなく、リズム感のある文章で書かれた物語仕立ての構成になっており、幼い読者でも楽しんで読めるよう工夫されている。色鮮やかなカメレオンや、枯れ葉そっくりのヤモリなど、ユニークな生き物たちの生き生きとした表情が魅力的。巻末では見開きでカメレオンの簡単な紹介がされており、その大きさ、食べ物、体の色の変化などの生態について知ることができる。

    ヒョウ(動物大せっきん)

    デレック・ジュベール、ビバリー・ジュベール著
    ほるぷ出版/ ナショナルジオグラフィック 動物大せっきん/ 2012年/ ボツワナ/ 小学校中学年から/ 32p

    30 年にわたりアフリカで暮らし、野生動物の映像や写真を記録し続けている著者夫妻が、ボツワナで出会ったヒョウの赤ちゃんの成長を追った記録。母親に狩りの仕方を教わり、やがて自立して自分も母親になる。斑点のある美しい姿や、意外に人なつっこい表情が迫力ある写真で紹介され、写真を見るだけでも楽しめる。ヒョウが住める土地が減っていることや密猟問題にもふれている。米国のナショナルジオグラフィック協会による動物写真絵本シリーズの1 冊。アフリカの動物を扱ったものには、ほかに『ライオン』『ゾウ』『ゴリラ』『チーター』があるので、合わせて読んでほしい。

    ミーアキャットの家族

    江口絵理著 内山晟写真 
    そうえん社/ 2010年/ 小学校低学年から/ 絵本

    ミーアキャットは、アフリカ南部のカラハリ砂漠に生きるマングース科の小形ほ乳類で、地面に巣穴を掘って、家族単位の群れで暮らしている。この絵本は、そのミーアキャットたちが後ろ足で立ち上がってひなたぼっこをしている様子、赤ちゃん同士で遊ぶ様子、お姉さんが子守をする様子など、おもしろい写真を並べて、家族の暮らしぶりや生態を伝えている。自然の状態をそこなわない程度に擬人化されている文章も、わかりやすい。ただ読点が少なく、文字をおぼえたばかりだと読みにくいので、ある程度文章を読み慣れた子どもにすすめたい。

    野生のゴリラと再会する:二十六年前のわたしを覚えていたタイタスの物語

    山極寿一著
    くもん出版/ 2012年/ ルワンダ/ 小学校高学年から/ 111p

    28歳の時出会って親密なつき合いをした野生のマウンテンゴリラ・タイタスに、著者は再び会いに行くことにした。それからの26年間にルワンダでは戦争が起こり森は焼き払われた。タイタスはりっぱな群れのリーダーになっているらしいが、著者のことを覚えているだろうか? ゴリラ研究の第一人者が、ルワンダの森でゴリラの群れに加わってゴリラの行動パターンへの理解を深めていった日々、ゴリラと人間の暮らし方の違い、ゴリラの子どもたちのさまざまな遊び、シルバーバックの役割などについて語る。タイタスと再会する場面も興味深い。ノンフィクション作品だが、文章も読みやすく、物語としてもおもしろく読める。

    ライオンのこども

    ガブリエラ・シュテープラー写真・文 たかはしふみこ訳
    徳間書店/ サバンナを生きる/ 2016年/ 小学校中学年から/ 絵本

    ライオンは出産が近づくと群れをはなれ、たった1頭で子どもを産む。その後、6週間以上ほぼつきっきりで世話をしたあと、群れにもどる。群れのメスはみな親戚なので、同じような子連れが多く、協力して子どもたちのめんどうをみるのだ。仲間とともに遊びながら狩りをおぼえ、獲物の少ない乾季の飢えも乗り越えるライオンの子どもたちが、たくましく成長する姿を迫力ある写真でとらえた写真絵本。細やかに観察された生態が、生き生きとした文章でつづられ、ライオンたちの暮らしがより身近に感じられる。巻末には3ページにわたり、解説が付されている。著者はライオンの群れを追い続けてきた写真家。国際的な賞も多数受賞している。

    ライオン(どうぶつの赤ちゃんとおかあさん)

    スージー・エスターハス文・写真 成島悦雄訳
    さ・え・ら書房/ どうぶつの赤ちゃんとおかあさん/ 2013年/ 小学校低学年から/ 絵本

    『チーター(どうぶつの赤ちゃんとおかあさん)』と同じ写真絵本シリーズの1冊。アフリカのサバンナで生まれたライオンの赤ちゃんがお母さんに見守られながら成長していく姿を、野生動物写真家が写真で記録し、やさしい言葉で説明している。