あたし、メラハファがほしいな:さばくのくにモーリタニアのおはなし

    ケリー・クネイン文 ホダー・ハッダーディ絵 こだまともこ訳
    光村教育図書/ 2014年/ モーリタニア/ 小学校低学年から/ 絵本

    サハラ砂漠にある国モーリタニアでは、イスラム教の女の人は色とりどりの布メラハファで、頭と体全体を包む風習がある。このメラハファにあこがれる女の子が、とうとうこの布をまとい、その意味を知るまでを描いた心あたたまるお話。家の外側や内側、ミントティーなどの食べ物、ラクダやヤギなどの動物、荷物を頭にのせて運ぶ女性たち、祈るようすなどが、絵と文でていねいに描かれ、人々の暮らしぶりが伝わってくる。モーリタニアの公用語は、アラビア語と3種類のアフリカの言葉とフランス語だが、本文中に出てくるメラハファ、ゼーンなどの言葉は、アラビア語のハッサーニーヤ方言だという。著者は2008年から1年間モーリタニアに暮らしていた。

    アバディのパン

    木葉井悦子文・絵
    ほるぷ出版/ 2005年/ ナイジェリア/ 幼児から/ 絵本

    ナイジェリア北部にある町の小さな通りアバディ。そこのパン屋さんの1日を描く。朝、日がのぼると、パン焼き職人のアウドゥー親方は、パン焼きがまに火を入れて、前の日からねかせていたパンだねを、ちぎってぽん、ちぎってぽん。型にはめ、かまに入れ、おいしいパンを焼いていく……。自然とともに豊かな時を過ごす人々を、大胆な色使いと力強いタッチで生き生きと描いている。子どもたちがほおばる、ふっくらこんがり焼きたてのパンが、なんともおいしそう。1970年以来数回のアフリカ生活を経て創作活動を始めた作者の絵本からは、豊かなアフリカの風土と、その地への深い愛情が伝わってくる。1990年初版の復刊。

    アフリカの大きな木バオバブ

    アフリカの大きな木 バオバブ

    ミリアム・モス文 エイドリアン・ケナウェイ絵 さくまゆみこ訳
    アートン/ 2006年/ 小学校低学年から/ 絵本

    アフリカの乾いた大地にどっしりと根を張り生きているバオバブ。そのバオバブに抱かれるように暮らす虫や動物たち。大きく広げた枝がつくりだす木陰ではインパラがとび跳ねスイギュウがまどろむ。長い年月、人間や動物たちにたくさんの恵みをあたえながら生きている大きなバオバブについて知ることができる美しい絵本。巻末の解説を見ると、バオバブは虫や鳥、動物のすみかになっているだけでなく、葉や花、実、根、樹皮などが人間にも様々に利用され、豊かな実りのシンボルとしてあがめられてきたことがわかる。アフリカ大陸に自生するバオバブの分布地図もついている。

     

    アフリカの音

    沢田としき文・絵
    講談社/ 1996年/ 西アフリカ/ 幼児から/ 絵本

    西アフリカの太鼓と踊りを楽しく紹介する絵本。力強くあたたかい絵には不思議な力があり、「グン ゴド パ グン ゴド パ」というリズムが絵本の中から聞こえてきて、汗だくになってエネルギッシュに踊る人たちの輪の中に入っていきたくなる。祭りの日が来ると、大勢の人が集まってきて、ヤギ皮を張ったジンベという太鼓の響きに合わせて踊り、うたい、収穫に感謝し、ごちそうを食べ、そしてまた帰って行く。いなかの村の暮らしがていねいに描かれ、大地や祖先や命のつらなりを大事にしてきた西アフリカの人々の価値観を見事に表現している。巻末に、舞踊民俗学者の柳田知子氏による解説も掲載。

    いちばんのなかよし

    いちばんのなかよし

    ジョン・キラカ文・絵 さくまゆみこ訳 
    アートン/ 2006年/ タンザニア/ 小学校低学年から/ 絵本

    働きもののネズミとのんびりやのゾウは、いちばんの仲よし。ところがある日照りの年、ゾウは、ネズミがこつこつとたくわえた作物を奪ってしまう。「なかよしだとおもっていたのに」と泣きながら村を出ていってしまうネズミ。ひとりぼっちになったゾウは、ネズミを追って村を出るが……。2005年ボローニャ国際児童図書展ラガッツィ賞を受賞した、タンザニア人作家の絵本。色鮮やかに描かれた、おおらかで明るい雰囲気の絵は、タンザニアの豊かな風土や暮らしぶりを伝えている。巻末には解説とアフリカの地図も載っており、絵本の舞台について理解を深めることができる。

    おしゃれがしたいビントゥ

    おしゃれがしたいビントゥ

    シルヴィアン・A・ディウフ文 シェーン・W・エヴァンス絵 さくまゆみこ訳
    アートン/ 2007年/ セネガル/ 小学校低学年から/ 絵本

    セネガルとフランスの血をひき、現在はニューヨークに住む著者が、セネガルの小さな女の子ビントゥの三つ編みへの憧れと、成長への願望を題材に、村の人々の暮らしや考え方を語る。動きのある絵は、登場人物の表情を生き生きと描いて物語を進めながら、村人たちが身につける装飾品から、地面についたニワトリの足跡まで細部にもこだわっているので、随所に発見の楽しさがある。おばあちゃんの説明を聞き、村で守られてきた慣習にはそれなりの理由があることを納得する一方、別の土地(アメリカ)には別の慣習があることをごく自然に了解しているビントゥがいじらしくも健気。セネガルの村に暮らす大人と子ども、動物へのあたたかいまなざしが感じられる。

    おじさんのブッシュタクシー

    おじさんのブッシュタクシー

    クリスチャン・エパンニャ文・絵 さくまゆみこ訳 
    アートン/ 2007年/ セネガル/ 小学校低学年から/ 絵本

    ブッシュタクシーとは、個人経営の小型乗合バスのようなもの。西アフリカにある国セネガルの少年セネが、おじさんの赤いブッシュタクシーに乗り降りする人々の様子を紹介する。バスの屋根に積んだ荷物や家畜、お客さんの色とりどりの服や堂々とした体つきや表情、独特の町並みなど、どれをとっても珍しい。セネガル相撲の力士が太鼓を囲んで踊ったり、結婚式の新郎新婦にコラ(弦楽器)を弾いてほめ歌をうたう人がついてきたり、橋が流されていればお客はタクシーから船に移ったり、人々の生活ぶりや喜怒哀楽が目に浮かんでくる。大きな見開きにはっきりとした色使いで描かれた絵は、独特の雰囲気と迫力がある。乗り物好きの子どもも喜びそうだ。

    かきねのむこうはアフリカ

    バルト・ムイヤールト文 アンナ・ヘグルンド絵 佐伯愛子訳
    ほるぷ出版/ 2001年/ カメルーン/ 小学校低学年から/ 絵本

    ぼくの家の隣に住んでいる奥さんは、きれいな茶色の肌をしたデジレーさんというアフリカ人だ。ある大雨の日、デジレーさんは黄色いレインコートを着て出てくると裏庭の物置を壊し始める。やがてその跡に大きな穴を掘り、穴のまわりに泥で塀を築き、何日もかかってアフリカ式の家をつくりあげる。一部始終を見ていたぼくは、かきねを越えて、泥の家でデジレーさんと一緒にお茶を飲む。初めての異文化体験を子どもの目で描いたスウェーデンの絵本。隣人の変わった行動を素直に受け入れない大人たちをよそに、都会の狭い裏庭で故郷を懐かしむデジレーさんの気持ちに素直に寄り添う子どもの感性が、さわやかな読後感を残す。絵も素朴であたたかい。

    かわいいサルマ:アフリカのあかずきんちゃん

    ニキ・ダリー文・絵 さくまゆみこ訳 
    光村教育図書/ 2008年/ ガーナ/ 幼児から/ 絵本

    サルマはおばあちゃんのおつかいで市場へ行き、頭にのせたカゴにスイカやニワトリを入れて運ぶ帰り道、知らない犬にだまされて何もかも取られてしまう。サルマはおじいちゃんに助けを求めるが、犬はまんまとサルマになりすましておばあちゃんの家へ……。「サールマ、サルマ、かわいいサルマ」という歌や、サンダルのパッタン、パタン、たいこのドドドン、ドドドンなどの音がはさまれ、楽しい気分に満ちた絵本。悪者の犬も、歌をまねして、わおーん、わおーんと叫んだり、目の悪いおばあちゃんに甘えたり、どこか憎めない。南アフリカの絵本作家が明るい絵でガーナの人々の暮らしをユーモラスに描いており、ゆったりとしたテンポに心がなごむ。

    ゴリラとあかいぼうし

    山極寿一文 ダヴィッド・ビシームワ絵 
    福音館書店/ 2002年/ コンゴ民主共和国/ 小学校低学年から/ 絵本

    「ふにっく、こっこっこっ」「ぐこっぐこっ」森の中で赤い帽子を見つけた子どもゴリラとその家族が、ゴリラの言葉で話している。ゴリラの住む森でなくした赤い帽子が少年のもとに戻ってくるまでの様子を、ゴリラ語を用いながら親しみやすく描いた絵本。著者は長年アフリカのジャングルでゴリラの野外観察を続け、ゴリラとの会話を試みている学者。画家もゴリラと人間の共生をめざすポポフというグループの創立メンバーで、森林とゴリラの保護に力を注いでいるだけあって、森の様子やゴリラの描き方が愛らしい。巻末に、本文で使われているゴリラ語の解説と歌の楽譜がついている。アフリカの森に住むゴリラのことが身近に感じられる楽しい絵本。

    サバンナのともだち

    キャロライン・ピッチャー文 ジャッキー・モリス絵 さくまゆみこ訳
    光村教育図書/ 2002年/ 東アフリカ/ 小学校低学年から/ 絵本

    サバンナの闇のかなたから響く咆哮を聞き、ライオンに会ってみたいと憧れる少年ジョゼフ。お父さんは「まだそのときが来ていない」と言うが、ジョゼフはやがて金色のたてがみをなびかせた太陽のようなライオンと友だちになる。そんなある日、ライオンの子をねらう密猟者が村にやってくる。ライオンの子どもはどうなるのか? 大きく堂々と描かれたライオンが、ジョゼフにとってのライオンの存在感を象徴しているよう。こんなライオンと友だちになれたらすてきだろ??と思わせる。ファンタジーが入りまじる父と子の物語を、東アフリカの人々の暮らしぶりやサバンナの風景や野生動物の様子を伝える大胆な絵とともに、じっくり味わいたい。

    ジャングルでだあれ

    マルティーヌ・ペラン文・絵 石津ちひろ訳 
    フレーベル館/ めりめろ/ 2007年/ 幼児から/ 絵本

    動物の形に型抜きされたページをめくると、草葺き屋根の家や、おしゃれな民族衣装の人が現れる。鮮やかな模様と黒のシルエットを組み合わせ、美しくデザインされた、フランス生まれのシンプルなしかけ絵本。2見開き単位で謎かけがあり、ページをめくると答えが現れるつくりは、幼い子どもにもなじみやすい。アフリカについての説明文はないが、そこに住む動物や人々の生活が美しく親しみのあるものとして、感覚的に受けとめられるだろう。「ジャングルでだあれ」という邦題がついているが、登場するのはジャングルの動物とは限らない。ちなみにシリーズ名の「めりめろ」とはフランス語で「まぜこぜ」の意味。

    ジンガくんいちばへいく

    ふしはらのじこ文・絵  
    福音館書店/ 2002年/ コンゴ民主共和国/ 幼児から/ 絵本

    コンゴの人々の暮らしや市場のにぎわいを伝える絵本。ジンガくんは、自分が飼っているニワトリが産んだ卵を、市場にいるおばあさんに届けにいくことに。ミシンや野菜や果物を頭にのせて歩いたり、自転車にバナナの房をのせたり、トラックの荷台にぎゅうぎゅう詰めに乗ったりしている人たちといっしょにようやく市場に到着すると、そこは人がいっぱいで、おばあちゃんを見つけるまでが一苦労。現地をよく知る画家が描いたさまざまなお店の様子や、値段交渉をする人々の姿には、生き生きとした臨場感があふれている。また、どの見開きにも必ずどこかに描かれているジンガくんを捜す楽しみも用意されている。

    ちかい

    ポール・ジェラティ文・絵 せなあいこ訳 
    評論社/ 1996年/ 小学校中学年から/ 絵本

    サバンナで暮らす少女ヤミーナは、おじいちゃんと蜂蜜とりに出たものの、狩人になったつもりで遊ぶうちに迷子になり、母ゾウを狩人に殺された子ゾウに出会う。ヤミーナは子ゾウを励まし、一緒に嵐の中を歩き続ける。おじいちゃんの教えを守り、シマウマの群れについて進むが、暗くなってもまだ家にはたどりつけない。必死で自分の村を捜すヤミーナの目の前に現れたのは、ゾウの群れだった。群れに子ゾウを渡して眠ったヤミーナは、明け方になって母親に助けられる。南アフリカに生まれ育った著者が、刻々と色の変わる草原、そこに生息する野生動物や植物を詩的に描いた絵本。書名が内容にそぐわないのが惜しい。

    チンパンジーとさかなどろぼう:タンザニアのおはなし

    ジョン・キラカ文・絵 若林ひとみ訳 
    岩波書店/ 2004年/ タンザニア/ 小学校低学年から/ 絵本

    チンパンジーが村の動物たちと一緒に市場に魚を売りに行くが、ずっとつけねらっていた犬に全部盗まれてしまう。動物たちは怒って犬をつかまえ、裁判にかける。ティンガティンガ派の流れをくむ画家は、色鮮やかな民族衣装をまとったキリン、シマウマ、ライオン、アカゲザルなどがダンスの練習をしたり、市場でいろいろな品物を売ったり、パンクしたトラックのタイヤを修理したり、子どもたちのサッカー大会に興じたりする姿をユーモラスに描き、隅々まで楽しめる。文章にはのんびりした雰囲気があり、悪いことをした者は皆で厳しく罰するが、きちんとつぐなえばまた仲間として受け入れるところに、おおらかさが感じられる。

    テンボ:ひとりぼっちのアフリカぞう

    サンガ・ンゴイ・カザディ文 いそけんじ絵 
    アスラン書房/ 1993年/ コンゴ民主共和国/ 小学校中学年から/ 絵本

    ザイール(現在はコンゴ民主共和国)の小さな村で暮らす12歳の少年が、落とし穴にはまった子どものゾウを助けて長老のところへ連れていく。そして長老から、ムンデレ(白人やアジア人)が入ってきて以来アフリカの自然が破壊されてきたことや、かつてアフリカでは白人による奴隷狩りが行われたこと、高いお金と引き替えにアフリカ人の中にも密猟をする者たちがいることなどの話を聞く。日本への象牙輸入が再開されることになりゾウの密猟の増加が危惧される今、日本の子どもたちにも読んでもらいたい絵本。作者はこの国で生まれ育った気象環境学者で、「アフリカ村おこし運動」を実行しているという。

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    トビのめんどり

    ポリー・アラキジャ作 さくまゆみこ訳
    さ・え・ら書房/ 2014年/ ナイジェリア/ 小学校低学年から/ 絵本

    ナイジェリアの暮らしを伝える数の絵本。トビは、村に住む男の子で、めんどりを飼っている。村の友だちも、それぞれ牛や、ヒツジや、ヤギや、ネコや、犬や、ブタを飼っている。友だちが飼っている動物は、次々に赤ちゃんをうむけれど、トビのめんどりは、たまごをあたためるだけで、なかなかヒヨコが生まれない。トビは、しんぼう強く気長に待つ。するとある日……。著者はナイジェリアに長く暮らし、子育てもした女性画家で、現地をよく知っている人ならではの、人々の暮らしぶりが描かれている。期待して待っている子どもの気持ちも伝わってくる。

    ハンダのびっくりプレゼント

    アイリーン・ブラウン文・絵 福本友美子訳 
    光村教育図書/ 2006年/ ケニア/ 幼児から/ 絵本

    ケニアを舞台にした愉快な物語絵本。ルオ人の少女ハンダは、果物を7つかごに入れて頭にのせると、友だちのアケヨに会いにいく。ところが、途中でサル、ダチョウ、シマウマ、ゾウ……と、つぎつぎに現れる動物たちが、ハンダの気づかないうちに、かごからひとつずつ果物をとってしまう。とうとう、かごは空っぽに。でも、心配はご無用。かごの中には、いつの間にかアケヨの大好きなミカンがいっぱい。どうしてそんなことになったかって? それは、絵本を見てのお楽しみ! 背景に、ルオの人々の暮らしや村の風景が描かれており、物語に登場する8つの果物が前見返しに、8種類の動物たちが後ろ見返しに描かれているのも楽しい。

    ハンダのめんどりさがし

    アイリーン・ブラウン文・絵 福本友美子訳 
    光村教育図書/ 2007年/ ケニア/ 幼児から/ 絵本

    ケニアに住むルオ人の子どもをモデルに描いた絵本。ある朝、かわいがっているめんどりのモンディが見あたらず、ハンダは友だちのアケヨと一緒に捜しに出かける。鶏小屋の前ではチョウチョウを2ひき見つけたが、モンディはいない。つぎに穀物小屋の下をのぞいてみると、しましまネズミが3びき、でもモンディは見あたらない。トカゲ、コオロギ、カエル、ムクドリと、いろいろな生き物を見つけたけれど、モンディの姿はなく……。最後はあっと驚く楽しい結末。ゆったりと流れる子どもの時間と、アフリカの豊かな自然が描かれており、1から10までの数の絵本にもなっている。『ハンダのびっくりプレゼント』の続編。

    ふたごのゴリラ

    ふしはらのじこ文・絵
    福音館書店/ 2015年/ コンゴ民主共和国/ 幼児から/ 絵本

    アフリカの大きな森に住むゴリラのおかあさんに、ふたごの赤ちゃんが生まれた。名前はマパとパサ。マパとパサはいつもいっしょ。でも、大きなお父さんゴリラには、まだ怖くて近づけない。ある日、2匹は森の奥でまいごになってしまう。まわりには見たことのない生き物たち、だんだん暗くなる中で2匹は木の上に寝床を作り、そのなかでしっかりと抱き合って夜を過ごす。やっと夜が明けて、マパとパサを探しに来てくれたのは、お父さんゴリラだった。コンゴ東部のゴリラの住む森の近くで暮らしたことのある著者の描く、ふたごのゴリラやお父さんゴリラの表情がリアルでどこかほほえましい。この絵本のゴリラは、東ローランドゴリラ。

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    ミルクこぼしちゃだめよ!

    スティーヴン・デイヴィーズ文 クリストファー・コー絵 福本友美子訳
    ほるぷ出版/ 2013年/ ニジェール/ 幼児から/ 絵本

    小さな女の子が、ヤギの放牧をしているお父さんにミルクを届けに行くことになった。大きなお椀を頭の上にのせて、こぼさないようにそうっと歩いていく。砂丘ではラクダを連れた人や砂漠の精霊とすれ違い、船でニジェール川を渡る。白いキリンの群とすれ違っても、お祭りの踊りに行き当たっても女の子は立ち止まらない。よそ見をしないで道を上ったり下ったり。そしてやっと山の上の草地に着いてお父さんにミルクを渡そうとした時、マンゴーの実が落ちてきて……。がっかりする娘を慰める父の言葉があたたかい。この地特有の自然の風物と民族文化が色鮮やかに描かれていて楽しい絵本。

    ライオンのながいいちにち

    ライオンのながいいちにち

    あべ弘士文・絵  
    佼成出版社/ 2004年/ ケニア/ 幼児から/ 絵本

    ライオンのとうちゃんが子どもたちを連れて散歩にでかける。狩りの打ち合わせに忙しいかあちゃんをよそ目に、とうちゃんは悠々とサバンナを横切り、池の水を飲み、峠の上からフラミンゴの大群をながめ、時々俳句を1句ひねっては「うーん、なかなか」と満足する。広いサバンナと抜けるように青い空、堂々としたオレンジ色のライオンたち、ピンクの花畑のようなフラミンゴ、夕陽を背に黒々としたヌーの大群などが、鮮やかな色彩でのびのびと描かれ、アフリカの大自然の魅力をよく伝えている。その中で、ライオンのとうちゃんの妙に人間臭いところが笑いを誘う。ほかに『ライオンのよいいちにち』『ライオンのへんないちにち』がある。

    ライオンのへんないちにち

    あべ弘士文・絵
    佼成出版社/ 2002年/ ケニア/ 幼児から/ 絵本

    『ライオンのながいいちにち』と同じシリーズの絵本。ライオンのお父さんがひとりで散歩に出かけて、いろいろな動物に出会います。

    表紙画像

    ライオンのよいいちにち

    あべ弘士文・絵
    佼成出版社/ 2001年/ ケニア/ 幼児から/ 絵本

    『ライオンのながいいちにち』と同じシリーズの絵本。ライオンのお母さんが狩りをしているあいだ、お父さんが子どもたちを引き連れて散歩にでかけます。俳句をよんだり、お昼寝をしたり、のんびりゆったりの子育てです。

    リズム

    真砂秀明絵  
    三起商行/ 1990年/ 西アフリカ/ 幼児から/ 絵本

    西アフリカのタイコのリズムが伝わってくる絵本。シンプルな色彩と切り絵のようなグラフィックで構成された画面を見ながら、セネガルやマリ、ギニアを中心とした地域の人々の生活の中で伝えられてきたリズムをくり返し音読することで、アフリカのリズムの持つ生き生きとした響きが楽しめる。巻末には、農作業やお祝いなど、それぞれのリズムの名前と意味が添えられている。幼い子どもと一緒に大きな声を出して読むと楽しい。