『ソフィーの秘密』表紙

ソフィーの秘密

ニキ・コーンウェル作 渋谷弘子訳 中山成子絵
文研出版 2021年 小学校高学年から

ルワンダの内戦から8年。イギリスに来て6年経ったクリストフは14歳になったが、内戦でフツに襲われた体験を今も忘れられない。そこへルワンダから同い年のいとこソフィーがやってきた。彼女は母親の死後、身を寄せていたフツの過激派女性の影響でツチに対して反感を抱いている。その上父親がジェノサイドで加害者として自分の村のツチ人たちを殺害したという秘密も抱えている。かつてツチに恨みを持っていた級友もいる。それぞれが複雑な立場や思いの中で自分と周囲の人を見つめ、憎しみを超えて一人のルワンダ人として生きる道を見つけていく物語。最終章「メリック先生の資料」にルワンダの歴史が書かれ、読者の理解を助ける。クリストフの物語3部作の最終巻。