『ライオンと歩いた少年』表紙

ライオンと歩いた少年

エリック・キャンベル作 さくまゆみこ訳
徳間書店 1996年 小学校高学年から

イギリスで暮らす少年が父親の仕事の都合で突然アフリカのタンザニアへ行くことになる。目的地に向かう途中軽飛行機がハゲワシの群れに突っ込み墜落してしまい、パイロットと父は重傷を負う。軽傷ですんだ少年は1人で助けを呼びに行こうとするが、そこはライオンの群れなど様々な野生動物が暮らすサバンナ。飛行機という現代文明を象徴するものが失われたことで大自然の中に放り出された少年は、一瞬老ライオンと目と目を合わせ、心を通わせる。死期を迎えた老ライオンと、生きようとする少年との魂の交流を通し、人間も動物も同じ自然の一部なのだということが感じられるように描いている。