語りつぐ人びと・アフリカの民話

江口一久ほか著  
福音館書店 福音館文庫 2004年 中学生から

日本の民俗学のフィールドワーカーたちが、アフリカの民話を採集してまとめた本。イラク、キクユ、フルベ、スワヒリ、ハウサ、ベルベル、マサイの人々の民話が紹介されている。各章ではまずその地で育った人が自分たちの民話の背景について語り、次にその地に語り継がれた民話が数編紹介され、各民族や民話についての解説と、フィールドワーカーたちのアフリカでの体験談が続く。アフリカの人々にとって、民話は生きていくための知恵がつまった大切なものだ。紹介される民話は、そのまま子どもに語れる体裁ではないが、その地の人々の文化やものの考え方を知る上で大変興味深い。民話集というより民俗学の本としてすすめたい。初版は1980年日曜日文庫。