1はゴリラ:かずのほん
アンソニー・ブラウン作 さくまゆみこ訳
岩波書店 2013年 幼児から
1から10の数とともに10種の霊長類がそれぞれの数だけ登場。数字と名前だけのシンプルな作りだが、登場する霊長類すべての顔が一頭ごとに異なった表情で描かれており、特に目の表現がいきいきと素晴らしく、見飽きることがない。また、霊長類の仲間であるヒトとしての作者の自画像が印象的に描かれ、私たちヒトが、ゴリラやサルたちの仲間であることを直感的に示している。向かい合って顔を合わせるコミュニケーションの重要さに言及した、霊長類学者山極寿一氏の解説が、本書の魅力を的確に言い表している。登場する霊長類の多くがアフリカを生息地としていることにも注目してほしい。