アフリカで、バッグの会社はじめました:寄り道多め 仲本千鶴の進んできた道

    江口絵理著
    さ・え・ら書房/ 2023年/ ウガンダ/ 小学校高学年から/ 134p

    ウガンダのシングルマザーと共に、バッグ工房を立ち上げた日本人女性を取材して書いた本。人の命を救う仕事をしたいと願いながらも、医師になる夢をあきらめ、国連職員を目指し大学院に進学したものの、方向転換してしまう――夢に向かってまっしぐら、とはなかなか進めないなか、社会起業家という仕事に出会い、アフリカの貧困を解消しようと活動を始めるまでが生き生きと描かれる。ウガンダでの女性の立場の大変さを憂いつつ、それでもたくましく生活する姿から知恵や勇気を得て、共により良い社会を目指して活動していくのが素晴らしい。見返しに色鮮やかなアフリカンプリントが使われ、カラー口絵では現地での活動の様子や暮らしぶりをよく伝えている。

    アフリカでケチを考えた:エチオピア・コンソの人びとと暮らし

    篠原徹著  
    筑摩書房/ ちくまプリマ−ブックス/ 1998年/ エチオピア/ 中学生から/ 206p

    自然と人間の関係を民俗学的なアプローチから研究している著者が、エチオピアのコンソに何度も通い、人々の暮らしの中に入って、見聞きしたこと、感じたことを記している。山の頂上にあって要塞のように外壁でかこった小さな村に、2000人あまりの人が住むという超過密ぶりに圧倒される。人々の物見高さ(好奇心の強さ)や、なんでも手づくりし、くるくるとよく働く様子、しっかりとした金銭感覚にも驚かされる。著者の価値観がコンソの人々との暮らしの中で通用せず、理不尽に思ったり、してやられたと思ったりしながらも、日本人である自分とはどういうものなのかを考え、コンソの人の知恵を考察していくさまがおもしろい。

    アフリカンアート&クラフト

    アフリカ理解プロジェクト編  
    明石書店/ 見る・つくる・知る おしゃれなアフリカ/ 2007年/ 中学生から/ 62p

    身近な衣食住を通して、ものづくりの中からアフリカ文化を理解しようというシリーズの1冊。写真やイラストなどビジュアルな要素が豊富で、楽しみながらアフリカの多様性や魅力を理解できる。この巻では、アフリカ各地の陶芸、バスケット工芸、テキスタイルづくり、染色、皮革工芸、ビーズ工芸などを取り上げ、様々な美術工芸品を紹介している。巻末にエチオピアダンスの紹介もある。

    アフリカンキッチン

    アフリカ理解プロジェクト編  
    明石書店/ 見る・つくる・知る おしゃれなアフリカ/ 2005年/ 中学生から/ 62p

    身近な衣食住を通して、ものづくりの中からアフリカ文化を理解しようというシリーズの1冊。写真やイラストなどビジュアルな要素が豊富で、楽しみながらアフリカの多様性や魅力を理解できる。この巻では、アフリカ各地の食べ物を取り上げているほか、台所小物、アフリカの植物、マーケットなどが紹介されている。おいしそうな料理のレシピもたくさん載っている。

    アフリカンドレス

    アフリカ理解プロジェクト編  
    明石書店/ 見る・つくる・知る おしゃれなアフリカ/ 2004年/ 中学生から/ 62p

    身近な衣食住を通して、ものづくりの中からアフリカ文化を理解しようというシリーズの1冊。写真やイラストなどビジュアルな要素が豊富で、楽しみながらアフリカの多様性や魅力を理解できる。この巻では、ファッション、布、アクセサリー、染色、ヘアスタイルなどを取り上げ、カンガの着方、アフリカンドレスやビーズアクセサリーのつくり方などの紹介もある。

    アフリカンリビング

    アフリカ理解プロジェクト編  
    明石書店/ 見る・つくる・知る おしゃれなアフリカ/ 2006年/ 中学生から/ 62p

    身近な衣食住を通して、ものづくりの中からアフリカ文化を理解しようというシリーズの1冊。写真やイラストなどビジュアルな要素が豊富で、楽しみながらアフリカの多様性や魅力を理解できる。この巻では、アフリカ各地の住まいや暮らしを取り上げている。枝や土を使った家の建て方や、アフリカ風インテリアの作り方や、暮らしの知恵などが紹介されている。廃品を利用して作った様々な道具の写真もおもしろい。

    いっしょにあそぼう:アフリカの子どものあそび

    イフェオマ・オニェフル作・写真 さくまゆみこ訳 
    偕成社/ 2007年/ ナイジェリア/ 幼児から/ 絵本

    ナイジェリアの少女が、セネガルに住むいとこの質問に答えて自分の好きな遊びを選ぶという設定で、子どもの遊び10種を写真・図解を交えて紹介する。どの遊びも特別な道具がいらず、使うのは、瓶のふた、棒きれ、小石や種、ひも、あとは自分たちの身体と知恵だけ。あやとり、こままわしなど日本の遊びに似たものがあるのも興味深い。遊べる人数と遊び方の説明があり、実際に試すことができる。オケレケ・オケレケ、プ・プン・プ・オゲネなど、唱え言葉の響きも楽しく、思わず一緒に口ずさみたくなる。ナイジェリアに生まれ育った女性フォトグラファーが、アフリカの生活や文化を紹介する写真絵本シリーズの1冊。

    いのちの教室:アフリカの大地が教えてくれたこと

    ライアル・ワトソン文 キース・ウエスト絵 難波裕子訳
    PHP研究所/ 2009年/ 南アフリカ/ 小学校高学年から/ 95p

    モザンビーク生まれの著名な博物学者であるライアル・ワトソンが、アフリカで過ごした子ども時代の体験を語った自伝的物語。ズールー族の族長ジャブラから学んだ自然の中で生きるための術、いかなる時にも英知を示してくれた祖母オウマの様々なエピソードやイボイノシシのフーバーとの愛情あふれる交流など、読者も少年ワトソンと共に、アフリカの大地の神秘と鼓動を感じることができるだろう。誇りをもって自らを「アフリカ生まれのアフリカ人」と呼ぶワトソン博士の原点は、アフリカの大自然と共生しながら、何世代にもわたり営んできた農場での暮らしにあることを教えてくれて、興味深い。

    AはアフリカのA

    AはアフリカのA:アルファベットでたどるアフリカのくらし

    イフェオマ・オニェフル作・写真 さくまゆみこ訳 
    偕成社/ 2001年/ ナイジェリア/ 小学校低学年から/ 絵本

    「DはDrum(たいこ)のD」「RはRiver(川)のR」のように、AからZまでの文字で始まる言葉を通して、アフリカの暮らしや人々の様子、風習や子どもたちの遊びなどを紹介する写真絵本。アフリカというと、報道では飢饉や内戦といった面に焦点が向けられがちだが、この絵本では、伝統が息づく暮らしぶりや、家族のあたたかい絆や、伝統を伝えるおばあさんや長老の役割など、豊かな文化に焦点を当てているので、子どもたちが見て、読んで、楽しく味わえる。ナイジェリアに生まれ育った女性フォトグラファーが、アフリカの生活や文化を紹介する写真絵本シリーズの1冊。

    エジプト:アフマド 毎日がもりだくさん!

    常見藤代 写真・文
    偕成社/ 世界のともだち/ 2016年/ エジプト/ 小学校中学年から/ 絵本

    エジプトの北部、ナイル川河口の農村地帯に住む少年アフマドは11歳で、父、母、弟の4人家族。スクールバスで通う小学校は8時から午後2時まで。授業は、各教科の他にイスラム教の礼拝の授業もあり、宗教や社会の価値観が生活の中に自然にとけ込んでいる。放課後は学習塾で勉強。ヴァイオリンとコントラバスを習っていて、楽器のレッスンや演劇クラブの練習もある。週1回の休みは家族揃ってモスクで礼拝。夜は父の友人たちの集まりに同行する。予定がぎっしりで大忙しの毎日だが、楽しくのびのびと過ごすアフマドは、エジプトの平均的な家庭の子どもの一人だ。シリーズの第34巻。

    エチオピア:ナティはたよれるお兄ちゃん

    東海林美紀 写真・文
    偕成社/ 世界のともだち/ 2015年/ エチオピア/ 小学校中学年から/ 絵本

    ヨーロッパの国に植民地化されなかったエチオピアの北部にあるゴンダールはかつて首都だった町であり長い歴史と文化を持っている。この町に住むナティは13歳の元気で笑顔のすてきな少年。靴の修理をする父と、近くのレストランで働く母、子ども4人の6人家族全員が少し広めの一つの部屋で暮らしている。ナティは弟妹の世話や掃除や料理の手伝いなどで大忙しだが、時間ができるとテレビやDVDを見たり、友だちとサッカーをしたり、映画を見たりして遊ぶ。お正月の食べものや宗教行事、美しい町のたたずまいなどの中に独自の文化が今もしっかりと続いていることが伝わってくる。シリーズの第28巻。

    絵本アフリカの人びと:26部族のくらし

    マーガレット・マスグローブ著 レオ・ディロン&ダイアン・ディロン絵 西江雅之訳
    偕成社/ 1982年/ 小学校低学年から/ 絵本

    広大で気候風土の変化に富んだアフリカ大陸には、習慣や伝統の異なった何百という民族の人々が住んでいる。その中のAからZまでの頭文字をいだく26民族をそれぞれ1枚の絵と文章で紹介する絵本。画家は民族の衣装や主な仕事、家の様子などの生活環境、土地の様子や動物などの自然環境まで、細かに描きこみながらも1枚の絵に見事にまとめあげ、本書で1977年度コールデコット賞を受賞。簡潔な文章と力強い絵が、多様なアフリカ文化の豊かさと誇り高く生きる人々の姿を強く印象づける。巻末には、紹介されている民族がどのあたりに住んでいるのかを示す地図を掲載。ただし、今のアフリカの人々や文化を伝えているわけではない。

    エンザロ村のかまど

    さくまゆみこ文 沢田としき絵 
    福音館書店/ たくさんのふしぎ傑作集/ 2009年/ ケニア/ 小学校中学年から/ 絵本

    ケニアの北西部にあるエンザロ村では、かまど(ジコ)と草履(パティパティ)が生活の中にいかされている。これはケニアの村人の生活を改善するために働く日本人女性岸田袈裟さんが、故郷遠野に昔から伝わる知恵をヒントにして、エンザロ村の人々に広めたものである。かまどや草履がなぜ必要になったのか、どのようにして現地で定着し、利益をもたらしているのかを、村の人たちの住まいや食事、暮らしぶりを紹介しながらわかりやすく解説している。著者、画家ともに実際に現地を訪れて描いているため、細部まで描写が正確で、日本人の目から見た驚きや発見が随所にもりこまれている。金銭や物品を贈るだけではない海外援助のあり方を考えさせられ、開発教育の好材料にもなるだろう。初版は月刊「たくさんのふしぎ」2004年2月号。「アフリカ子どもの本プロジェクト」発足の出発点となったノンフィクション絵本。

    おとうとは青がすき:アフリカの色のお話

    イフェオマ・オニェフル作・写真 さくまゆみこ訳 
    偕成社/ 2006年/ ナイジェリア/ 小学校低学年から/ 絵本

    ンネカとチディは仲よし姉弟。「青がすき」という弟チディに、お姉さんのンネカは「ほかにもいろんな色があるんだよ」と教えてあげることにした。大おじさんの帽子の色の赤、願い事をする時に使うチョークの白、ヒョウタンの実を2つに割って作った器のクリーム色……。ページをめくるたびに鮮やかな色が目に飛びこんできて、楽しみながらアフリカの文化に親しむことができる。ナイジェリアに生まれ育った女性フォトグラファーが、アフリカの生活や文化を紹介する写真絵本シリーズの1冊。

    おばあちゃんにおみやげを:アフリカの数のお話

    イフェオマ・オニェフェル文・写真 さくまゆみこ訳 
    偕成社/ 2000年/ ナイジェリア/ 幼児から/ 絵本

    エメカは、ナイジェリア南部のイバジ村に住むイガラ人の男の子。隣村のおばあちゃんの家にいく途中で出会ったものを通して、10までの数と、イガラ人の暮らしを写真で綴った絵本。こまや水がめ、イシャカ(ヒョウタンで作った楽器)などが使われる様子だけでもおもしろいが、さりげなく説明がもりこまれた文章を読むと、1ページ1ページじっくり見たくなる。人々の肌の色、顔かたち、服装、家や風景など、外見は日本とまったく違っているが、最後のおばあちゃんの言葉で、人間の思いは世界共通という実感がわいてくる。ナイジェリアに生まれ育った女性フォトグラファーが、アフリカの生活や文化を紹介する写真絵本シリーズの1冊。

    『風をつかまえたウィリアム』カムクワンバ&ミーラー文 ズーノン絵 さくま訳 さ・え・ら書房

    風をつかまえたウィリアム

    ウィリアム・カムクワンバ&ブライアン・ミーラー文 エリザベス・ズーノン絵 さくまゆみこ訳
    さ・え・ら書房/ 2012 年/ マラウイ/ 小学校低学年から/ 絵本

    アフリカで最も貧しい国の一つであるマラウイに暮らす少年が、図書館で出会った1冊の本を読んで、手作りの風力発電機を作り出すまでを描いている。厳しい村の生活を赤茶けた大地で、ウィリアムが独学し、手を動かし、夢をかなえていった姿を力強いコラージュで、表現している。本に出会うこと、学ぶことの意義を深く感じさせる絵本。先に『風をつかまえた少年』が刊行され多くの人に読まれてきたが、絵本にすることで、著者の思いや行動が年少の読者にもわかりやすく伝えられることとなった。巻末にはその後のウィリアムやプロジェクトの現在を記した解説が添えられている。

    『風をつかまえた少年』

    風をつかまえた少年 :14歳だったぼくはたったひとりで風力発電をつくった

    ウィリアム・カムクワンバ&ブライアン・ミーラー著 田口俊樹訳 池上彰解説
    文藝春秋/ 2010 年/ マラウイ/ 中学生から/ 400p

    マラウイを襲った干ばつのせいで食べていくのもやっととなり、学費が払えず、中学校を中退したウィリアム。小学校の図書室にあった物理の教科書と風力発電の本をたよりに、廃物を利用しながら、自力で風力発電機を作り出す。それが新聞で紹介され、多くの人の協力で中学、高校と進学し、国際的に注目され、急激に生活が変わっていった様を自ら記したノンフィクション。前半はマラウイの農村部の毎日や、干ばつで疲弊していく人々の様子、政治の無策、迷信、魔物などが跋扈する暮らしなどが描かれ、現代アフリカの実情とそのなかで懸命に暮らしている人々の様子を知ることができる。文春文庫版もあり。

    語りつぐ人びと・アフリカの民話

    江口一久ほか著  
    福音館書店/ 福音館文庫/ 2004年/ 中学生から/ 413p

    日本の民俗学のフィールドワーカーたちが、アフリカの民話を採集してまとめた本。イラク、キクユ、フルベ、スワヒリ、ハウサ、ベルベル、マサイの人々の民話が紹介されている。各章ではまずその地で育った人が自分たちの民話の背景について語り、次にその地に語り継がれた民話が数編紹介され、各民族や民話についての解説と、フィールドワーカーたちのアフリカでの体験談が続く。アフリカの人々にとって、民話は生きていくための知恵がつまった大切なものだ。紹介される民話は、そのまま子どもに語れる体裁ではないが、その地の人々の文化やものの考え方を知る上で大変興味深い。民話集というより民俗学の本としてすすめたい。初版は1980年日曜日文庫。

    希望、きこえる?:ルワンダのラジオに子どもの歌が流れた日

    榮谷明子著
    汐文社/ 2020年/ ルワンダ/ 小学校中学年から/ 147p

    ルワンダでは、民族紛争で親や祖父母を亡くし、昔話や子守唄を知らずに育つ子どもが多い。ユニセフ(国際連合児童基金)の職員として2013年にルワンダに赴任した著者は、幼稚園が少なく、学齢前の子どもたちをはぐくむ場所がないことに気づき、子ども向けのラジオ番組を作ろうと思い立つ。まずはルワンダ放送協会を中心に協力者を集め、企画をまとめる。番組名を「イテテロ(はぐくみの場)」とし、5匹の動物キャラクターを決め、声優は子どもたちをオーディションで選ぶ。信念をもって一歩ずつラジオ番組を完成させる様子が詳しく語られ、情熱が伝わってくる。巻末にウェブサイトが載っており、番組で使われる歌や動画が見られるのも楽しい。

    『義足と歩む』表紙

    義足と歩む:ルワンダに生きる日本人義肢装具士

    松島恵利子著
    汐文社/ 2019年/ ルワンダ/ 小学校高学年から/ 185p

    ルワンダには、1994年の虐殺事件もあり、手足を失って不自由な生活をしている人も多い。本書の主人公ルダシングワ真実さんは、日本で義肢製作を学んだあと、夫ガテラさんとともにルワンダでNGO「ムリンディ/ジャパン・ワンラブ・プロジェクト」を立ち上げ、それぞれの人に合った義足や義手を配布する活動を、もう20年以上も続けている。今はブルンジにも広がるその活動の根底には、どんな思いや困難があるのか、もらった人の反応や私たちがルワンダから学ぶことは何か、といったことを、わかりやすく伝えるノンフィクション。「ルワンダの今」の章には、女性議員が多いこと、死刑制度が廃止されていること、環境問題に熱心に取り組んでいることなどが記され、虐殺事件をみんなで考えたうえで未来へ向かおうとしている人々の姿が浮かび上がる。

    ケニア:大地をかけるアティエノ

    桜木奈央子写真・文
    偕成社/ 世界のともだち/ 2014年/ ケニア/ 小学校中学年から/ 絵本

    12才の少女アティエノを例にとって、ケニアの村での暮らしを紹介する写真絵本。アティエノの自己紹介と自筆メッセージから始まり、家族、家の様子、水汲み、牛追い、料理の道具、食事、学用品、学校、遊び、村の様子、市場、村人の仕事、儀式、大きな町での買い物などを、次々に写真と文で紹介していく。本書で取り上げるのはケニア全地域ではなく、ビクトリア湖に近いウソマ村だけだが、その分密着して詳細に描かれる。読者は日本の暮らしとの相違を知ると同時に、家族を大切にする気持ちや、自然に沿った暮らし、日々の喜びなどに共感を覚えるだろう。著者は、日本の小学校や中学校で、アフリカの暮らしを紹介する活動もしている。

    コーヒーを飲んで学校を建てよう:キリマンジャロ・フェアトレードの村をたずねる

    ふしはらのじこ文・絵 辻村英之監修
    実生社/ 2022年/ タンザニア/ 小学校高学年から/ 絵本

    キリマンジャロ山の西側にあるルカニ村では昔から野生の木の陰やウシの肥料を使い、森を破壊しない伝統的な方法でコーヒーを栽培していた。ところが1990年代からコーヒーの国際価格が下がり続け、コーヒーを栽培している人たちの生活は苦しくなった。日本から来た研究者のヒデ先生は村の窮地を知り、日本の企業にコーヒー豆を高く買ってもらうよう奔走する。絵本作家の著者が生き生きとした描写で文と絵を描いた産地訪問の記録。『コーヒーを飲んで学校を建てよう:キリマンジャロとルカニ村』(月刊「たくさんのふしぎ」20136月号/福音館書店)にフェアトレードプロジェクトの話や写真、販売店リストなども追加し、版元を変えて新たに刊行した。

    サンコン少年のアフリカ物語

    オスマン・サンコン著 あべ弘士挿絵 
    講談社/ 青い鳥文庫/ 2001年/ ギニア/ 小学校中学年から/ 137p

    ギニア共和国生まれの著者が自分の子ども時代(8歳頃)について書いたもの。父が1人、母が3人、兄弟が20人の大家族。年長者、とりわけ祖父ベンバの暖かく包み込むような存在感が印象的だ。動物の世話や家の手伝いをし、家族や友だちと共に自然の中で元気いっぱいに暮らす様子が描かれている。その中で、人間が自然や他の生きものたちに生かされているということや、その命の繋がりの大切さを大人たちがわかっていて、きちんと子どもたちに伝えている。1958年にフランスから独立した時代背景もわかる。子どもの目線から生き生きと書かれていて読みやすく、挿絵も雰囲気をよく伝えている。初版は1993年で、のちに文庫に収録された。

    人類発祥の地 アフリカ

    関野吉晴著・写真  
    小峰書店/ グレートジャーニー人類5万キロの旅/ 2004年/ 北東アフリカ/ 小学校高学年から/ 142p

    500万年前に発祥した人類が地球上を移動した5万キロの旅を、逆ルートでたどる全15巻シリーズの1冊。この巻はエジプトから、エチオピア、スーダン、ケニアを通り、ゴール地点であるタンザニアのオルドバイ渓谷までの記録。探検家・医師・写真家の著者は、動力に頼らず徒歩や自転車などで移動し、大昔の人類の旅を体感する。先住の人々を訪ね、暮らしぶりを学ぶのも目的だ。同行のイスラム教徒に倣ってラマダン(断食)をしながらラクダで旅を続けるなど貴重な体験が綴られる。グレートジャーニーのロマンに読者を誘うだけでなく、国境通過の困難さなどを通して、アフリカの国々の政治・社会情勢にも触れている。カラー口絵を含む写真、地図あり。

    世界の文化と衣食住 アフリカ

    鈴木佑司監修
    小峰書店/ 2019年/ 小学校中学年から/ 55p

    アフリカの文化や歴史・風土を伝えるために、全54ケ国をそれぞれ見開き2ページにまとめて紹介。「料理」「住居」「衣装」「学校」「伝統的な行事」などの項目に分けて解説しているため、国ごとの違いや多様性に気づきやすく、親しみの持てる構成となっている。国についての基本情報、日本との関わり、国名を表す手話を掲載するなど、学習資料としても使いやすい。サプールの人たちの色鮮やかな衣装に込められた思い、砂漠や西アフリカにある不思議な形の家や建物の知恵、さまざまな食べ物にもフォーカスし、個性豊かな人々の暮らしや風土をもっと知りたい気持ちにさせてくれる。

    セネガル:貝がら島のマドレーヌ

    小松義夫 写真・文
    偕成社/ 世界のともだち/ 2015年/ セネガル/ 小学校中学年から/ 絵本

    西アフリカのセネガルは、多民族が共存しそれぞれの文化や言語を大切にしている。本書は、首都ダカールから大西洋岸を約110キロ下ったところにあるジョアル・ファディユ村に住む11歳の少女マドレーヌの暮らしを通して、セネガルを紹介している。少女が住む所は貝がら島と呼ばれ、島じゅうが貝殻でおおわれていて、自動車は入れない。家族、学校での生活、放課後の遊び、家の作り、両親の仕事、毎日のごはん、イスラム教徒とキリスト教徒が仲良く暮らしていることなどを紹介。写真からは、子どもたちの豊かな表情とともに、活気に満ちた暮らしぶりが伝わる。巻末には「セネガルのあらまし」があり、理解が深められる。シリーズの第30巻。

    たのしいおまつり:ナイジェリアのクリスマス

    イフェオマ・オニェフル作・写真 さくまゆみこ訳 
    偕成社/ 2007年/ ナイジェリア/ 小学校低学年から/ 絵本

    ナイジェリアに住む少年アファムは、クリスマスを楽しみにしている。大人に負けない仮装をして「モー(精霊)」になろうと思っているからだ。早く材料を集めて仮装の準備をしたいのに、クリスマス前は支度やお手伝いで大忙し。日本とは気候も風習も全く違うナイジェリアのクリスマスを、男の子の気持ちを通して体験することができ、興味深い。サングラスをかけた子どもたちのおしゃれぶりや、特別なごちそうも紹介される。村のあちこちにはダンスグループが繰り出し、いろいろなモーが登場する。ナイジェリアに生まれ育った女性フォトグラファーが、アフリカの生活や文化を伝える写真絵本シリーズの1冊。作者自身の少女時代のわくわくした実感が伝わる。

    地球の仲間たち スリランカ/ニジェール

    開発教育を考える会編
    ひだまり舎/ 2019年/ ニジェール/ 小学校低学年から/ 37p

    世界の子どもたちを紹介する写真絵本シリーズの1冊。後半でニジェールに暮らす11歳の女の子バルキさんの生活や学校の様子を伝えている。バルキさんがジェルマ語で答えているところにはQRコードが配され、音声を聞くことができる。また、大きな写真には「何をしているのかな?」と問いかけ、次ページでその解説をするなど、工夫がなされている。遠く離れた国であっても、身近な暮らしの様子から様々な共通項が見つかり親しく感じられるだろう。このシリーズは、青年海外協力隊に参加し、帰国後教育に関わってきた人たちが制作し、赴任先の生徒や下宿先の家族などにインタビューしたものだという。巻末にはニジェールの国についての簡単な解説ページがある。

    中東・アフリカのお菓子

    服部幸応&服部津貴子著  
    岩崎書店/ どんな国?どんな味?世界のお菓子/ 2005年/ チュニジア・ケニア・エジプト・モロッコ/ 小学校中学年から/ 47p

    世界の国々の伝統的なお菓子を紹介するシリーズの1冊。アフリカ大陸からは、エジプトのマームール(クッキー)、チュニジアのコルヌ・ドゥ・ガゼル(焼き菓子)、モロッコのアーモンド・ミルク(ドリンク)、ケニアのマンダジ(揚げパン)が、おいしそうな写真つきで取り上げられている。イラスト入りのレシピもあるので、実際につくってみることができる。「もっと知りたい」ページやコラムでは、そのお菓子の背景にある各地域の風土や食文化が紹介されている。情報量は多くないが、あまり知られていないお菓子を通したアフリカの一面を発見できて楽しい。巻末に調理用語の説明と索引あり。

    どうしてアフリカ? どうして図書館?

    さくまゆみこ著 沢田としき挿絵 
    あかね書房/ 2010年/ ナイジェリア、ケニア/ 中学生から/ 163p

    著者が30年以上前に初めて降り立ったアフリカはナイジェリア。以来何度も訪れるアフリカで、文化や音楽に触れ、人々が抱えるたくさんの問題に目を向けてきた。アフリカの絵本や児童書の翻訳にも力を入れ、仲間と「アフリカ子どもの本プロジェクト」を立ち上げて、ケニアに図書館をつくるにいたった年月を語る。アフリカの人々の様子、本に見入る子どもたち、そしてアフリカの大地の魅力がいきいきと描き出され、いつのまにかアフリカが大好きになってしまう。岸田袈裟さんの〈エンザロ村のかまど〉がケニアの村々に広まったことで生活が改善され、布ぞうりはHIVの予防にもなった。このように生活に結びついた支援がもっと増えたら、なにかが変ってくるのではないだろうか。絵はプロジェクトの仲間でもあった沢田としきの最後の仕事になった。

    『2枚のコイン』表紙

    2枚のコイン:アフリカで暮らした3か月

    ヌリア・タマリット作 吉田恵訳
    花伝社/ 2021年/ セネガル/ 中学生から/ 136p

    ボランティア支援リーダーとして派遣された母親とともに、セネガルの村に滞在した17歳のスペイン人の女の子マルが、3か月間に体験し、考えたことを描いたグラフィックノベル。家や食事、踊る人々、服装や市場、自然や風景などが、カラーの絵で描かれているのでわかりやすい。現地の若者に話を聞き、驚いたり怒ったりしながらセネガルの豊かさと困難の両面に気づいていくマルに、日本の読者も共感をもつだろう。現地で調達した材料で丈夫な建物を建てるという支援のあり方や、若者がラジオで自分の声を発信するという動きも興味深い。ボートで国外に逃れる難民の姿も描かれている。巻末に訳者による背景説明があり、理解を助けてくれる。

    ヒョウタンの絵本

    おおつきよしあき編 やまふくあけみ絵
    農山漁村文化協会/ そだててあそぼう/ 2001年/ 小学校低学年から/ 絵本

    ヒョウタンはウリ科の植物で、原産地はアフリカといわれている。夏の暑い太陽のもとでぐんぐん育ち、数ヶ月で10メートルもツルを伸ばす。ヒョウタンの特徴、種類、歴史のほか、実際に栽培する方法や加工の仕方を、ていねいな解説と楽しいイラストで1つ1つわかりやすく教えてくれる絵本。実にはいろいろな形があり、種を抜き、乾燥させて楽器や容器を作るが、形の特長を生かした工夫がわかりおもしろい。ヒョウタンはアフリカの多くの国々で栽培され、食器、道具、装飾品、楽器など生活の中で広く使われている。本書にはムビラという指ピアノの作り方も出ている。

    プリミティブアートってなぁに?

    マリー・セリエ文 結城昌子訳 
    西村書店/ 直感こども美術館/ 2008年/ 小学校低学年から/ 95p

    自然界の精霊や祖先の霊を崇拝し、祈りを捧げた人々の生み出す仮面や人形、道具などの、なんとユニークで力強いことか。アフリカのみならず世界でつくられてきたプリミティブアート作品を、写真と解説で紹介している。1つずつ作品が紹介され、つくられたものたちが語り手となって、踊りやまじないや語り部の神秘的な世界を伝えてくれる。読者もイマジネーションをふくらませ、プリミティブアートの世界を楽しく学ぶことができる。

    ぼくの村がゾウに襲われるわけ。:野生動物と共存するってどんなこと?

    岩井雪乃 著
    合同出版/ 2017年/ タンザニア/ 中学生から/ 135p

    ゾウといえば、アフリカの大草原でゆうゆうと草を食べる姿を思いうかべる。でも、タンザニアのセレンゲティ国立公園の周辺で暮らすイコマ民族の村は、ゾウの群れに襲われ、畑を荒らされて作物も根こそぎ食べられてしまう。なぜこんなことになってしまったのか。
    著者は20年にわたるイコマ民族との交流の中で、「野生動物と人間の共存」をテーマに現地調査をし、国立公園や動物保護区ができた歴史的背景も考察している。動物を保護しながら人々の暮らしを守るためには、そしてゾウとの共存をめざすには、どうすればよいのか。毎年タンザニアを訪れ、村の人々との実践を通して共存の方法を探りながら、読者にもできることを呼びかける。

    ぼくはマサイ:ライオンの大地で育つ

    ジョゼフ・レマソライ・レクトン著 さくまゆみこ訳 
    さ・え・ら書房/ 2006年/ ケニア/ 中学生から/ 161p

    遊牧民の子どもとしてケニア北部に生まれた著者が、10代の終わりにはアメリカの大学に留学し、教職を得るようになるまでを綴っている。幼少のサバンナでの暮らしぶりや学校の様子、厳しい境遇の中から援助者を見つけだすバイタリティなど、その波瀾に富んだ日々が生き生きと描かれ、とてもおもしろい。著者は西欧文化を学んでも、先祖伝来の文化を手放しはせず、ケニアの遊牧民たちが自分たちの言語、文化、伝統を守れるよう援助したり、子どもたちが教育を受けられる機会を増やすため活動している。伝統と近代の双方の世界を自在に行き来し、その掛け橋となっている著者の存在がユニークで、グローバル化が進む世界へのひとつの指針ともなる。

    ぼくはまほうつかい

    マヤ・アンジェロウ文 マーガレット・コートニー=クラーク写真 さくまゆみこ訳
    アートン/ 2006年/ ガーナ/ 小学校低学年から/ 絵本

    著名なアフリカ系アメリカ人の女性詩人と、長くアフリカで取材を続ける写真家がコラボレートした美しい写真絵本。ガーナに暮らす少年が、市場や学校、お祭りや彩色された家々などを存分に紹介するという構成になっている。いわゆる写真絵本にありがちな説明的な文章ではなく、詩人は少年になりきって、ガーナの古い言い伝えや学校に通う様子などを、ユーモラスに親しみ深く語っている。目を閉じて心を開けば、どこにだって飛んでいけるよ、とささやく少年の言葉には、どんなに遠く離れていても心が通いあい、人はつながっていけるという詩人の信念がこめられている。巻末にガーナの布ケンテや、金の腰かけの伝説についての説明がある。

    『マダガスカルのバオバブ』表紙

    マダガスカルのバオバブ

    堀内孝 文・写真
    福音館書店/ たくさんのふしぎ傑作集/ 2023年/ マダガスカル/ 小学校中学年から/ 絵本

    アフリカ大陸の南東にある島国マダガスカルには、8種類ものバオバブが生えている。どれも不思議な姿をしているバオバブだが、そこで暮らす人々の生活と密接に結びついている。樹皮も葉も果実もいろいろな用途に利用できることから「森の母」と呼ばれたり、長い時を生きてきた巨木は精霊として崇められたりもする。木の洞は、中にコウモリの群れがすんでいることもあれば、貯水槽として使われることも。しかし、近年は農園や畑にするため切り倒されて数が減り、種によっては絶滅も危惧されているという。さまざまな種類のバオバブの姿を伝える写真は、見ているだけでも楽しい。初版は月刊「たくさんのふしぎ」2004年2月号。

    星野ルネ著『まんが アフリカ少年が日本で育った結果』毎日新聞出版

    まんが アフリカ少年が日本で育った結果

    星野ルネ著
    毎日新聞出版/ 2018年/ カメルーン/ 小学校高学年から/ 126p

    著者はカメルーン生まれで、母親が日本人と再婚したことにより4歳前に来日、兵庫県姫路市で育つ。日本とカメルーンを往き来し、母親からはカメルーン人らしい教育を、父親からは日本人らしい教育を受けた。言葉がわからなかった幼稚園時代や小中高の学校生活の中で、外見から生まれる先入観や誤解、カメルーンとの生活習慣の違いから生まれる出来事を、1ページに1テーマのまんがで表現しツイッターで発信している。本書はその連載をまとめたものである。嫌な思いをしたり大変なこともあったと思うが、 まんがという表現手法のため、多くのエピソードは面白く笑って読める。また、カメルーンに帰った時のエピソードも多く書かれていて、カメルーンの人々の暮らしぶりや日本との違いがわかり、多文化理解にも役立つ。

    南アフリカ共和国:シフィウェ 夢はサッカー選手

    船尾修 写真・文
    偕成社/ 世界のともだち/ 2014年/ 南アフリカ/ 小学校中学年から/ 絵本

    「サニボナーニ(こんにちは)、ぼくの名前はシフィウェです」中表紙にズールー語の直筆と顔写真。12歳の少年シフィウェの住む南アフリカがぐっと身近に感じられる。治安の悪さや貧困、差別などで悪名高かった旧黒人居住区ソウェトだが、この本を読むと、そんなイメージはさておき、シフィウェの家を訪ね、家族を紹介してもらい、一緒に夕食を囲んでいる気分になってくる。学校生活や買い物などシフィウェの毎日の暮らしに密着したふんだんな写真を楽しみながら、今の南アフリカの現状を温かく見つめ続ける作者の的確な文章が、異文化の理解を助け、この国の抱える問題にも目を向けさせてくれる。シリーズの第14巻。

    森に生きる人:アフリカ熱帯雨林とピグミー

    寺嶋秀明著  
    小峰書店/ 自然とともに/ 2002年/ 小学校中学年から/ 123p

    アフリカ中央部のイトゥリの森に住み、今も狩猟と採集の生活をしているエフェの人々の暮らしを、人類学を専門とする著者が親しみを込めて紹介する。身体的な特徴に始まり、森の生活、子どもの1日、狩猟や採集の知恵、家族と社会など内容は多岐にわたる。驚異の方向感覚や身体能力、自然と共生するためのエコロジーなど、驚きながら学ぶことも多く、興味深く読み進められる。わかりやすい写真や図も適所に挿入されている。文明から取り残された人々といった偏見が払拭され、自然に寄り添って生きる人々への親しみと敬意が生まれ、現在の生活や未来を考える契機にもなる。アフリカの一側面を伝える本としてすすめたい。

    モロッコのごはん

    銀城康子著 高松良己絵
    農山漁村文化協会/ 絵本 世界の食事/ 2010年/ モロッコ/ 小学校中学年から/ 絵本

    世界各国の家庭の日常的な食事を紹介するシリーズの1冊。モロッコでは昼食が一番大切な食事で、朝食後お母さんが作ったパン生地をパン屋さんへ持って行き、焼いてもらったパンをお父さんが昼休みに持ち帰り、煮込みやサラダなどのおかずで家族そろって食べる。タジン鍋料理やクスクスといったモロッコの食事の特色や、料理に多用するスパイスや毎日何度も飲むミントティーのこと、食事のマナーや行事の時の特別な食事のことなどが、イラスト入りでていねいに説明されている。巻末に、栄養バランスから見た日本の食事との比較や、パン屋さんの話など詳しい解説がある。

    わきだせ! いのちの水:日本伝統の上総掘り井戸をアフリカに

    たけたにちほみ著
    フレーベル館/ 2019年/ ザンビア、タンザニア、ケニア/ 小学校高学年から/ 200p

    千葉県の伝統的井戸掘り技術「上総掘り」を応用し、アフリカで井戸を掘る大野篤志さんの取り組みを伝える。はじめに上総掘りの道具や仕組み、安価で深く掘ることができることが説明されている。大野さんはアフリカには道具の竹がないことを知り、現地で手に入る資材を使った「新方式上総掘り」を考案する。道具や部品の名称も英語に変えてマニュアルを作る過程を読むと、現地の人たちが井戸を掘る技術を身に着け自立する援助を目指していることがわかる。井戸を必要とする場所では、泥水を飲み病気にかかる人や水汲み場で水死する人がいることも書かれている。水に恵まれた日本に住む子どもたちに、ぜひ読んでほしい。