ごちそうの木:タンザニアのむかしばなし
ジョン・キラカ作 さくまゆみこ訳
西村書店 2017年 幼児から
日照りつづきで食べる物がなくなってしまった土地に、たわわに実をつけるふしぎな木が1本立っていた。お腹をすかせた動物たちはその木の下に集まるものの、どうしても実をとることができない。ノウサギが賢いカメに相談にいくと申し出たのに、大きな動物たちに「おまえは小さすぎる」と言われて・・・。作者は、ティンガティンガ・アートを学び、現地で語り継がれる昔話を収集し、ストーリーテラーとしても活躍している。本作は作者の出身地タンザニア南西部に暮らすフィパの人たちに伝わる語りを記録してつくられた。素朴な展開と、木の名前「ントゥングル・メンゲニェ」の語感とが絵にマッチしたユニークな絵本。