しあわせのなる木:アフリカの民話集

島岡由美子文 ヤフィドゥ・マカカと8人のティンガティンガ・アーティストたち絵
未来社 2017年 小学校高学年から

乱暴者で大食いのゾウの鼻が長くなったわけ、毛むくじゃらでと仲良しだったカバが今は川に住むのはなぜか、歩いて山に登っていたチョウチョウに羽がはえた理由など、「ハポ ザマニザカレ(スワヒリ語で、昔々あるところに)」という決まり言葉から始まるお話が集められている。一見どのお話も破天荒に思えるが、読み進むうちに、そこに生きるための知恵が隠れているのがわかる。タンザニア在住の著者が採集した約300の東アフリカの民話の中から20話を選び、9人の画家が、それぞれのタッチで鮮やかな絵をつけている。巻末には、お話の背景だけでなく、今の子どもたちの暮らしぶりが写真付きで紹介されている。