希望、きこえる?:ルワンダのラジオに子どもの歌が流れた日
榮谷明子著
汐文社 2020年 小学校中学年から
ルワンダでは、民族紛争で親や祖父母を亡くし、昔話や子守唄を知らずに育つ子どもが多い。ユニセフ(国際連合児童基金)の職員として2013年にルワンダに赴任した著者は、幼稚園が少なく、学齢前の子どもたちをはぐくむ場所がないことに気づき、子ども向けのラジオ番組を作ろうと思い立つ。まずはルワンダ放送協会を中心に協力者を集め、企画をまとめる。番組名を「イテテロ(はぐくみの場)」とし、5匹の動物キャラクターを決め、声優は子どもたちをオーディションで選ぶ。信念をもって一歩ずつラジオ番組を完成させる様子が詳しく語られ、情熱が伝わってくる。巻末にウェブサイトが載っており、番組で使われる歌や動画が見られるのも楽しい。