白いキリンを追って

ローレン・セントジョン作 さくまゆみこ訳
あすなろ書房 2007年 小学校高学年から

火事で両親を失い、突然イギリスからケープタウンの鳥獣保護区の祖母のもとに行って暮らすことになった11歳の少女マーティーン。祖母にあまり歓迎されていないのを感じ、学校にもなじめないマーティーンは、やがて白い不思議なキリンと出会い、そこから今まで知らなかった自分を発見し、思わぬ事件に巻きこまれていく。謎ときのおもしろさがあるストーリーにひきつけられながら、読者はマーティーンと視線を合わせて、南アフリカの未知の世界の冒険を楽しめる。ジンバブウェで育った著者が敬意をもって描く風景や、野生動物と人とのかかわり、まじない師を含む人々の暮らしぶりなどがリアルで興味深い。