おしゃれがしたいビントゥ
シルヴィアン・A・ディウフ文 シェーン・W・エヴァンス絵 さくまゆみこ訳
アートン 2007年 小学校低学年から
セネガルとフランスの血をひき、現在はニューヨークに住む著者が、セネガルの小さな女の子ビントゥの三つ編みへの憧れと、成長への願望を題材に、村の人々の暮らしや考え方を語る。動きのある絵は、登場人物の表情を生き生きと描いて物語を進めながら、村人たちが身につける装飾品から、地面についたニワトリの足跡まで細部にもこだわっているので、随所に発見の楽しさがある。おばあちゃんの説明を聞き、村で守られてきた慣習にはそれなりの理由があることを納得する一方、別の土地(アメリカ)には別の慣習があることをごく自然に了解しているビントゥがいじらしくも健気。セネガルの村に暮らす大人と子ども、動物へのあたたかいまなざしが感じられる。