ゴリラとあかいぼうし
山極寿一文 ダヴィッド・ビシームワ絵
福音館書店 2002年 小学校低学年から
「ふにっく、こっこっこっ」「ぐこっぐこっ」森の中で赤い帽子を見つけた子どもゴリラとその家族が、ゴリラの言葉で話している。ゴリラの住む森でなくした赤い帽子が少年のもとに戻ってくるまでの様子を、ゴリラ語を用いながら親しみやすく描いた絵本。著者は長年アフリカのジャングルでゴリラの野外観察を続け、ゴリラとの会話を試みている学者。画家もゴリラと人間の共生をめざすポポフというグループの創立メンバーで、森林とゴリラの保護に力を注いでいるだけあって、森の様子やゴリラの描き方が愛らしい。巻末に、本文で使われているゴリラ語の解説と歌の楽譜がついている。アフリカの森に住むゴリラのことが身近に感じられる楽しい絵本。