路上のヒーローたち
エリザベス・レアード作 石谷尚子訳
評論社 2008年 中学生から
エチオピアのストリートチルドレンを主人公にした小説。首都アディスアベバに住む少年マモは、母の死後、誘拐されて農家に売りとばされ、過酷な労働をしいられる。一方、ダニエルは裕福な家で何不自由ない暮らしをしていたが、父親の無理解とプレッシャーに苦しみ、家出をする。命からがら逃げだしたマモと、途方に暮れていたダニエル。なんの接点もない2人が出会って、生きるためにギャングの仲間に入った。身を寄せて支えあい、知恵と勇気を身につけ、やがてそれぞれの道を進んでいく子どもたち……。作者は実際に路上でくらす少年たちを取材して、いくつかの実話をもとにこの物語を書いた。さわやかな読後感と希望を残す。