ぞうのはなは なぜながい
キプリング原作 寺村輝夫文 長新太絵
集英社 2009年 小学校低学年から
大昔、ゾウの鼻が短かった頃の話。知りたがりやの子ゾウは、出会う動物に、答えようのないことばかり聞いて歩く。ある日「ワニは何を食べるの?」と聞くが、みんなは「だまれっ!」と言うだけだった。子ゾウはどうしてもそれが知りたくて、はるばるリンポポ川までワニを探しに行く。川でワニに会ってたずねたところが、鼻先に食いつかれ、鼻が長く伸びてしまう。それ以来、ゾウは便利な長い鼻を手に入れたという物語。文章はリズミカルで、次々に登場する動物と子ゾウの珍妙な問答が続く。明るくユーモラスな絵とともに、文字にも工夫があり、自分で読む子どもでも飽きずに読める。ノーベル賞作家キプリングの短編集「なぜなぜ物語」の中の1編。