運命の王子:古代エジプトの物語

リーセ・マニケ文・絵 大塚勇三訳 
岩波書店 1984年 小学校中学年から

3000年以上前のエジプトの昔話。パピルスに記録された文書と、同時代のエジプト美術や壁画をもとにしてつくられた絵本。結末はパピルス文書が紛失しているため作者が創作した。鮮やかな黄と青を下地に、神話の世界のような絵で物語が展開する。神への祈りが通じてようやく授かった王子が、ワニかヘビか犬に殺される運命を負い、3つの動物から隔離されて育つ。成長した王子は、旅に出て北のナハリン国(今のイラクの一部)に至り、塔に住む王女の窓まで跳躍するという難題をこなして結ばれる。王女の機転によりヘビから救われ、ワニと戦うが、犬に噛みちぎられる。しかし再び王女の力で蘇生する。