絵で見るナイル川ものがたり:時をこえて世界最長の川をくだる

アン・ミラード文 スティーブ・ヌーン絵 松沢あさか訳
さ・え・ら書房 2004年 小学校低学年から

世界最長のナイル川は、源流のヴィクトリア湖から、河口のナイルデルタまで7000キロを流れる。その川を、時空を越えて旅する不思議なペリカンと、読者とが一緒に下っていく趣向の絵本。川の流域にある14箇所の人々の暮らし、遺跡、自然などが、紀元前から現代まで様々な時代に焦点をあてて紹介される。各場面には、大きな判型を生かして見開きいっぱいに、たくさんの人や物が描きこまれている。絵のまわりに書かれた文章と絵を照応させながら読み進めると、あたかもそれぞれの時代の人々の声が聞こえてくるかのようだ。それぞれの絵の中から、ペリカンの姿を探しだすのも楽しい。