ダイヤモンドより平和がほしい:子ども兵士・ムリアの告白
後藤健二著
汐文社 2005年 小学校高学年から
西アフリカのシエラレオネは、ダイヤモンドの産地であることから戦争の舞台となり、平均寿命が世界一短い国としても、子どもの兵士が多く使われたことでも、知られるようになった。ジャーナリストの著者が、シエラレオネの戦傷者キャンプや子ども兵士の保護施設を訪れ、インタビューしてまとめたノンフィクション。目の前で両親を殺されて反政府軍に入れられたムリア少年は、皮膚の下に麻薬を埋め込まれて「殺人マシーン」と化していた。でも今は、心に大きな傷を負いながらも麻薬中毒から脱し、将来は大統領になる夢までもつようになったという。被害者が、「平和のためには子ども兵士を許さなきゃ。でも忘れはしない」と語る声も重い。