サラの旅路:ヴィクトリア時代を生きたアフリカの王女

ウォルター・ディーン・マイヤーズ著 宮坂宏美訳 
小峰書店 2000年 小学校高学年から

アフリカのある王女の運命を描いた実話。19世紀半ばに西アフリカ、オケアダンの王家に生まれたサラは、5歳の時隣国ダホメー王により家族を虐殺され、捕らわれる。あやうく生け贄にされるところを、奴隷貿易廃止の使命を帯びて来ていたイギリスの海軍士官に救われ、ヴィクトリア女王への贈り物という名目でイギリスへ。以後は女王の庇護を受け、上流階級の家で育てられ魅力的な女性に成長するが、自分の本当の居場所が見つけられない。やがて結婚し、西アフリカで事業とキリスト教の布教に携わる夫とともに教育に力を注ぐが、病に倒れ若くしてこの世を去る。奴隷貿易の問題や英国人の特権意識など、サラの目を通して考えさせられる。肖像写真あり。