生きもののおきて
岩合光昭著
筑摩書房 ちくまプリマーブックス 1999年 小学校高学年から
動物写真家が、ライオン、ヌー、バッファローなどを中心に、アフリカの野生動物を紹介する本。1982年8月から84年3月までの1年半、タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在した著者が撮影した多数のカラー写真は、サバンナに生きる動物たちの、生と死が隣り合う日常をリアルに映し出している。多くの野生を残す一方で、セレンゲティ平原を中心とした周辺地域は野生動物保護区域に指定され、公園境界の外側でも年々人口が増えつつあり、人の行為が野生動物たちの本来の生き方を変えてしまうことを著者は懸念する。アフリカの自然を通し、人と自然の共存、地球上のあらゆる生命に共通するルールついて考えるきっかけとなる本。2010年にはちくま文庫でも出版された。