アバディのパン

木葉井悦子文・絵
ほるぷ出版 2005年 幼児から

ナイジェリア北部にある町の小さな通りアバディ。そこのパン屋さんの1日を描く。朝、日がのぼると、パン焼き職人のアウドゥー親方は、パン焼きがまに火を入れて、前の日からねかせていたパンだねを、ちぎってぽん、ちぎってぽん。型にはめ、かまに入れ、おいしいパンを焼いていく……。自然とともに豊かな時を過ごす人々を、大胆な色使いと力強いタッチで生き生きと描いている。子どもたちがほおばる、ふっくらこんがり焼きたてのパンが、なんともおいしそう。1970年以来数回のアフリカ生活を経て創作活動を始めた作者の絵本からは、豊かなアフリカの風土と、その地への深い愛情が伝わってくる。1990年初版の復刊。