魔法の泉への道
リンダ・スー・パーク著 金 利光訳
あすなろ書房 2011年 中学生から
1985 年、スーダン内戦で故郷を追われた少年サルヴァと、2008 年、家族のための水汲みで1日が終わってしまう少女ナーヤの物語が交互に語られていく。サルヴァの物語は苦難の連続だ。家族とも生き別れ、ナイル川をわたり、砂漠を徒歩で越え、苦しい難民生活を経て、アメリカに移り住んだサルヴァは、故郷のためにできることを必死で考える。それはやがて、水のない土地で過酷な日常をおくるナーヤを救うことになるのだった。本書はサルヴァ・ドットによる実体験をもとに書かれた。サルヴァは現在アメリカで「スーダンに水を」というプロジェクトを推進し、南スーダンに数十もの井戸を掘っている。